播州路で偲ぶ酒

先日、久しぶりで有る事で仲間になった古い友人達が集まった。
その時に有る人の話がでた。
会社も違う年齢もまちまちの我々を結びつけてくれた人だ。それが縁で未だに
気が向けば集まって酒を飲む気持ちが続いているのだ。
しかし、その人はいないのだ。
若くして亡くなった。彼の仕事ぶりからして、まさに企業戦士の戦死だったと
いえるだろう。
それから、10年経ってしまった。節目でもあるし、いっかい墓参りでもしよう
ではないかということになったのだ。
「傘を持ってきたらよかったかな?」しかし振りそうでふらないで曇り空、
播州路を走っていると稲刈りが終わって長閑さだけになった田が多い中に、まだ
刈られずにほったらかしのも沢山あって雀がやかましい。
畔道の端の柿の木には赤い実が落ちそうになっていた。
「こういうところでおだやかにやすんでいるんや」と何となく納得して、
あとは、「飯でも食おうや」
行った先は、酒蔵を改造したという人気らしきレストランだ。
「焼きアナゴ定食でも食うか」
ここは山の中だからアナゴはご当地というわけではないが、後で明石に行くから
それでつじつまをあわせよう。
運転手役の人と、飲めない人と飲まない人には悪いが、せっかくだから個人を
偲んで一杯だけお酒を頂こう。
この酒蔵の酒、「富久錦」という酒だ。
ひんやりしてうまい。
甘すぎないし、きれもいい。上等の酒だ。
料理もおいしいので満足だ。
皆さん、又、会って、一杯やりましょう。

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毎週金曜は、酒や茶に関する話です。