天津古文化街でとても素朴な土人形に出会った。
コロナ引き籠り。杭州絵画留学の日々を懐かしむ妄想日記の続きである。
あんまりのんびりしてる場合ではない。
かといっていく先をビシッと決めてるわけでもない。
とりあえず、古い天津に触れてみようと、古文化街みたいなとこに行ってみる。
この街のバスや電車はさっぱりわからん。
今では縦横に地下鉄が走ってるんでとても便利そう。
この時はタクシーで。
とりあえず暑い。日差しが強い。
この頃って、中国でパーキングメーター見るのって珍しかった。
今では、珍しくもなんともないんやろね。
向こうのほうにそれらしき一角が見える。
中に入ると、まさしく観光街だ。
えらく沢山観光客がいてる。
どちらを見ても中国人、外国人にはあんまり人気のないとこなんかなあ。
天津の街にはこの時点より、10年ほど前に仕事で来たことがある。
その頃は、かなり凄まじかった。冬、厳冬期やったけど、わしらのいたところは、街の中全体が集中暖房みたいなとこで、どっか役所の施設が管理してる。夕方は仕事が終わってるという前提なのか、暖房がストップしてしまうんで、仕事好きな?日本人は、寒い中、震えながら仕事をしていたのだ。街の中は、石炭を炊く排ガスで、もうもうと煙って、夕方になると、霧に包まれたようになっていた。おんぼろタクシーに乗ると、古びた街の景色が、霧に霞んで、まるで、大正、昭和の時代に車に乗って走ってるかのような気分が味わえた。まるで街全体が古文化の中にいるようだった。
今では、まるで違う大都会になっていて、こぢんまりした古文化街もただのお土産屋さん通りでしかないようだ。
仕事以外で一度来たことがあるんやけど、その時よりさらに古色がはげて普通の商店街の感がある。
北京の瑠璃庁を模したような文房具四宝の店も見かけるけど、目を引くようなものはおいてなかった。
古文化ということで、木版画に彩色を施したような細密画的なのも昔から有名やけど、お土産的なものが多かった。
奥の方に歩いてたら、泥人形の店を見つけた。
泥人形というのは、簡単に言うと、粘土を素焼きして色をつけたやつだ。
芸術品と言えるかどうかは別にして、とても素朴な味わいがある。
値段もとても安いんで手軽なお土産として人気があるようだ。
前に、飛行機に乗った時に記念品としてもらったことがあって、その時は、いらんわって誰かにあげたけど、後で欲しくなって、いつか機会があったら買おうと思っていた。
それが、ここに並んでる。
やっぱり人気は京劇のキャラクターたちみたい。
わしにはさっぱりわからへん。
なんだかとても素朴な、爺さん、婆さんが家の居間で和んでるやつがあったんでそれを買った。
50元ほどだ。1000円しないくらい。
とても安い。
とても気に入ってる。
さて、だいぶ飽きてきたんで、次に行こう。