蘭亭を訪ねる

紹興の街から車で20分以上走ったろうか、随分山の方まで入って行く。
「ほうこれが蘭亭か。えらい新しいね」
「いかにも造りもの臭い」
王義之があの有名な「蘭亭序」を書いた史跡だから、長い歴史の
中で何度も壊されては再建されてきたのは仕方ないだろう。
最後は文革で徹底的に壊されたようだが、割れた碑が見つかったのが
きっかけで再建が始まったようにも聞いている。
あまり目くじら立てなくても、時間がたてば歴史のなかで自然さも
でてくるのかもしれない。
「蘭亭序」は臨書がそれこそ山ほどあるようだから、石碑なども
ある程度集められて、書家の心をときめかせるようであれば、それも
大いに意味があるかもしれない。

入り口の感じはなかなか好い。

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「鵞鳥がいるから『鵞池』か、そのまんまやね」
「『王義之』が鵞鳥を好きだったとか、頭が筆の形に似てるからいいとか、
ほんまかいな」

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「『曲水の宴』をやったところやって」、「『杯が来るまでに詩を読む』って
やつか?」、「日本に伝わって、和歌を詠む宴になった?」
「この川というか流れやと、なんか貧素でせこいなあ」

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「この碑が割れた『蘭亭』の石碑をくっつけたやつらしい」

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しかし、ここで買った「蘭亭序」の臨書の集大成本、「千古蘭亭序」は
なかなかの買い物だったと思う。