紹興の蘭亭を訪れた後は、魯迅ゆかりの咸亭で遅い昼飯を食べた。
この後は杭州に帰るだけだ。いろいろ迷っていた運転手も帰りは元気なものだ。
中国のタクシーの運転手にしては「慎重すぎるんちゃう?」と言って
しまうほどゆっくり運転していたのが、かなりスピードもアップしたほどだ。
それにご飯を食べて酒を飲んだから眠い。
うとうととしているうちに杭州についた。
「そろそろ着きますが、どこへ行きます?」
あわてて、「西湖にいって」というと、「西湖のどのへんですか?」
と聞いてくる。西湖は大きい。杭州市の真ん中の殆どを占めている。
「うーん、分からんけど、この辺」と適当に地図を指差す。
西湖は3度目だ。前の2度もさらっと通っただけだ。
西湖十景という言葉があって、絶景スポットがあるのだが、
それは季節や時間とリンクしているので、全部を体験するのは容易
ではないし、そういうのを求めるのも味気ない。
そうなると、気に入ったらそばで暮らすしかないし、適当なところを
さらっと見て、「感じ」を実感するだけというのもそれはそれでいいのではないかと思う。
この景色、春暁の中でみれば十景に入るのだ。
老師はさらっとお手本を画いてくれたけど、なかなか私が画くと
画にならない。
。。