森鴎外故居と蒸気機関車。
さて、やっと鴎外の家がある場所がわかった。
わしらが迷ってたとこからそれほど遠くはない。
やれやれ、わけわからんまま、まだかまだかと歩いてると結構疲れた。
あとちょっとが遠く感じる。
やれやれ、やっと着いた。
質素なようでなかなか立派な門構えではないか。
では、拝見しよう。
おもむろにお庭に入っていく。
と、その時、やや遠くから、「グオォォーーーーーン」という雄叫びが聞こえた。
おおっ、もしかしたら蒸気機関車が通るかと、いきなりテンションが上がる。
これは見逃したらあかん。とばかり見通しのいい道路まで急いで戻る。
おおっ、確かに左手の方から雄叫びと共に、蒸気機関車と噴煙が現れてきた。
デジカメの望遠機能を使おうとするけど、一瞬で通り過ぎるからあんまり
いろいろ調整する暇もない。
よう見といて後で絵にした方がましではないやろか?
土日に一日何便か運行されているJR山口線の蒸気機関車による観光列車、帰り便と
言うことだろう。
かなり遠方やのに、シュッシュ、シュッシュと蒸気を吐く音や、ゴーゴーと鉄の塊が
動く音が、ものすごい存在感で伝わってくる。
そういえば、鴎外の故居を探すのに土手の下を歩いてたら、上の方に、人だかりがしてた。
何やろと見たら、カメラを構えた人や、三脚にセットした人たちがズラリと並んでいた。
撮り鉄の方達であろう。
最近マナーのことでちょっと話題になったりしてるけど、何時間も前に来て、ええ場所
取り合いして、その瞬間をじっと待つなんてかなり根性が要るやろなあって感心する。
わしは、撮り鉄やないんで、そんなに準備して待ち構えたりできへんけど、たまたま、
出会う、行き合う、チャンスがあると、それが狙いであるときもあるけど、とても嬉しい。
例えば、インドのダージリンに行った時に出会った。
ダージリン・ヒマラヤ鉄道というやつだ。
昔の山岳鉄道が今では観光列車となって観光ツールになっている。
わしらも乗りに行った。
全線走破は無理なんんで半日くらいの部分体験になってしまった。
線路幅の狭いかなりのミニトレインやけど、家々の狭い路地を走り抜けたり、山を越え
丘を越えてグングンと頑張ってる様はとても面白い。
残念ながら、わしらが行った日は蒸気機関車の運転はなかったけど、日によってはそれを
楽しめるということだった。
また、例えば、中国、四川省に旅した時に出会った。
四川省の石渓から黄村井までの20km程度。
木材搬出用か鉱石運搬用か、元々何の用途に使われてたかはようわからんけど、今は
観光列車として活躍してる。
これは良かったなあ。
田舎の風景、昔ながらの暮らし、四川の食べ物。
蒸気機関車。
とても素敵な体験だった。駅のそばの掘建小屋で食った、豆腐料理はすばらしかった。
それはともかく、目の前を通り過ぎる列車はあっというまにいなくなる。
わしらは鴎外邸の見学を続けよう。
わりと簡素やなあって思う。
明治の文豪にして、日露戦争を戦った軍医の偉いさんだ。
もっと立派な邸宅であっても不思議はないけど、質素なのは好印象だ。
不思議なことに入場券を販売する場所がない。
無料にしては変だ。
そう思ってたら、裏口の外にあった。
その先に鴎外記念館がある。むしろ裏口と思ってた方がほんとうの入口やったんかもしれん。
観光客はほとんど見かけへん。
どこまでも穏やかな、秋の風が質素とも言える庭にさっと吹いて、それがよく似合ってる。
もう、さっきの地響きが聞こえるかのような蒸気機関車の存在感はどこにもない。
記念館まで行くほどの興味は湧いて来ないんで、そろそろここを離れよう。
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ありがとうございました。