あ
る日の小吃の風景。
さて、杭州暮らしが始まって、何もかもが新鮮だ。学校の周りだけでなく、どこも
かしこも見て回りたい。できるだけ好奇心のままに行ってみよう。とりあえずは
歩いていける範囲、片道30分から1時間程度なれなんてことはない、で、地図をたよりに
あっちに行ったりこっちにいったり。
もちろん学校がある日は、学業が優先なんで、休みの日にそれをやる。
見物はもちろん大事やけど、その時、安くて美味いもんのご飯屋さんを見つけたら
食べる楽しみも大事だ。
こっちにきてストイックな暮らしをしてるけど、こんな風にでかけたときは、
ちょっとだけ、贅沢をしてみることにしてる。
この日は、えらく人だかりのしてる小吃屋さんを見つけた。前にもこのあたりを
通って気になってたんやけど、気になりすぎてやっぱり行ってみようとした。
店の前まで行くと行列があるのがわかる。
どうやら食券を買うみたいだ。
列にならんでジリジリと進むのを待つ。なかなか順番が来いへん。
それでも待てば進む。ようやくチケットを買えた。
ワンタン(5元)と小籠包(8元)だ。当時の物価とレートで180円くらい。
考えられへんくらい安い。
さあ、これで・・・。
と思ったら甘かった。
勝負はこれからだった。
チケットを持って厨房のあるカウンターに行く。というか皆さん殺到してる。
団子になったところに右からも左からも我先にと刺さっていく。
どうやら、目指す品物がきたら、チケットと交換にもらっているというシステムらしい。
ようするに先んじてモノをゲットした人が勝ちなのだ。
前から手がでてようが、横から伸ばした手であろうが、つかんだものがゲットするのだ。
わしは最初はオロオロするばかり、団子の集団に入るくらいはできる。
押されながらも前には進む。
しかし、2列めくらいになると、どんどん前に入って来る人がいてるし、横からも
どんどん持って行きはるんでわしの手には入らへん。
だんだん本気になる。
必死になる。
やっと奪い取った。
達成感が凄い。(写真を撮った時はもう一騒ぎ終わった後)
こんなことで。(汗)
これで試練が終わったわけではない。
超満員の店内、席がないのだ。
相席も相席、ちょっとでも空いた時にすかさずゲットしないと行けない。
複数人の人たちは、料理を取る人と席を取る人、うまく分担してるけど
わしは1人だ。しかも言葉の問題がある。
言葉を勉強してきたつもりやけど実践に役に立つには時間がかかる。
考え方の問題もある。
わしの頭のなかでは、席が空いてる=空き席があるかどうか?
中国人の考え方、この席を使ってる人が居るかいないか?
だから、指差して身振りで聞いて、首を横にふったら、OKなのだ。
最初はNOかなと思ってうろたえた。
なんだかんだで勉強になる。
やっと席ができてありつけた。
とても美味しい。
ここの一番人気は大きな包子(豚マン)らしい。
今日は売り切れ。又、いつか食おう。
他には、何かの血をゼラチン状にしてスープにいれたモツ料理が圧倒的な人気らしい。
わしは、それはちょっと食指が動かんかった。
隣座ったおばあちゃんがそれを美味そうに食ってる。
美味そうなやあって見てたら、いきなりわしに話しかけてきた。えらい気さくだ。
しかし、早口のせいか方言のせいか、わしの聞き取り力のせいかようわからん。
歳はいくつやって聞かれたんだけはわかった。
たったそれだけのことでも、とても嬉しかった。胸が熱くなった。
たいしたことではないけど、なんとなく、異国でちょっとだけ受け入れられた気がしたのだ。
ワンタンは海老ワンタン。皮も餡も美味しい。スープはあっさり、とても良い。
小籠包は蒸籠に入ってる。熱々でとても美味しい。
これは後日食った大きな包子(豚マン)だ。齧ろうとしたら中からジュースが迸り出る。とても美味しい。
地元の人は、このお汁がじゃまなのか、捨てていた。
ようわからん。
ちょっとだけ、この街に近づけたかもしれん。
良い一日だった。
良い街だ。
この店は多分このあたり?
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ありがとうございました。