なぜ中国へ。留学の手続きや入国など。
2012年時点で水墨画を始めて6年くらいだった。ずっと京都にいる中国人の画家に
習っていた。とても確かな技術を持った人で、とても美しい線を描く、教えながらも
ときにはむきになって、お手本を描くつもりが詳細丁寧な作品を描いてしまったり
する人だ。ノリはええんやけど、中国人的と言えるんか、わしらにはついていかれへん
ほどのアバウトさにタジタジとなることも多い人だ。
その人が、今更ながら、美術学院の博士コースに入って勉強しなおすという話が進んで
いるときだった。少年時代から絵の先生についてみっちり勉強はしてきたものの
家庭の事情やその当時の国情で正規の美術学校に行くことができなかったのが
今でも心残りなのだそうだ。
そんな頃、この美術学院で海外留学生を受け入れる制度がというある話を聞いた。
しかも、その先生の弟子の一人が昨年6ヶ月間のコースを受講してきたばかりなのだそうだ。
何か、気持ちが西の方角に引っ張られる。
その間に、母親が亡くなった。娘が結婚した。
仕事もリタイアした。
何か、区切りのようなものがついてきてるではないか。
生活を大きく変えてみるチャンスではないのか。
こういう予感を感じたのが1年ほど前、その頃から中国語を真剣に勉強し始めた。
もし、留学するなら、言葉が必須になる。中国語でしか教えてくれへん。
何を言うてるかわからんかったら何もできへん。
元々少し勉強してたけど、今度は本気でやった1年。
とうとう、HSK5級、ギリギリ合格できた。これって独学レベルとしては
結構自慢できるんではないか。この資格って1年間だけ有効らしいけど、資格と
して使うことはないやろ。
どうやら気が熟して来たらしい。手続きは大学院に行く予定の絵の先生が手伝ってくれる。
順調すぎる。
旅行や出張では何度も海外に行ったけど、短いとはいえ暮らすのは始めてだ。
とても心配。
それでも、日が経つと其の日がくる。
よう考えたらヴィザも要る。
学校の承認も要る。
1回だけのか、何度も行き来するやつか?
わしは色々考えた末、1回だけのにした。何かあって途中で戻ることがあったら
それはその時の事だ。
チケットも要る。片道で買うとえらい高い。こんなときマイレージが役に立つ。
3ヶ月先のやつを仮押さえしておく。帰りが決まったら変更したらいい。
今ではこんな方法はできへんけど当時は大丈夫だった。
旅行保険はどうなるか? 帰る日によってはギリギリかもしれん。気をつけておこう。
とても心配。
それでも、日が経つと其の日が来た。
とりあえず家にある一番大きいスーツケースに荷物を入れた。何をどんだけ持って
行ったらええんかさっぱりわからん。足らんかったら向こうで買おう。
それに徹して実際はもっと少なくすればよかったけど、行く前は買い物事情すら
わからへん。
20kgは余裕でオーバー、JALのグローバルクラブでよかった。キャリー付きでは
ないんで小さなカートを取り付ける。この重さやと空港まで電車で行かれへん。
事前に宅配便で送るサービスを使おう。
なんせ重い、預けたらほっとする。
中国に着いたら余裕を持って上海に1泊。ちょっとだけ美味しいもん食って、
お酒を飲んで、ストイック暮らし前の気力を蓄える。
ホテルまではもちろんタクシー。電車で運ぶ気力はない。
ついでに両替。知人に頼んであった両替屋さんでとりあえず数十万円。
この当時、中国ではなんでもかんでも現金払いだった。カードは殆ど使えないし、
もちろんスマホ決済もない。こんな両替屋さんって合法なんやろか?
この国の事情はさっぱりわからん。
例えば、銀行に行っても、両替屋さんが何人か座ってる。窓口に行ったら、
そういう人を指差してあの人とやれという。ええんかいなって思う。
そういう人は、お金を替えるとき、銀行の読み取り機を使ってる。ええんかいなって思う。
不思議な国だ。
大金をもって(わしにとっては)、飲みに行くわけにもいかへんし、ホテルに置いて
いくのも心配だ。
ホテルでひっそりと缶ビールを飲む。
一夜明けた。よい天気だ。頃は4月、やや暑い。
上海から杭州までは新幹線を使う。これは昨日のうちに手配済。
当日行っても絶対買えない。いつ行っても満員でなかった試しはない。
ホテルから駅までは、荷物ゆえやっぱりタクシー。明日から贅沢ややめよう。
新幹線は今回は一等車に座る。明日から贅沢はやめよう。と言うても日本ほどの料金差はない。
荷物も無事収納。
車窓は田園風景。
1時間ほどで杭州に着く。
そこから学校まで又タクシー。明日から贅沢はやめよう。
やっと着いた。
わしにとっては、超ストイックな暮らしが始まろうとしてる。
おや、杭州市、杭州東、新幹線駅は今はもう無くなってるみたい。
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ありがとうございました。