コロナ日和の日々、妄想の旅に出る。V国へ、H市からF市へ列車の旅−01、H市、バイクの街にやってきた。

H市、バイクの街にやってきた。

コロナは一向に収束する気配が無い。わしら年寄りはかかったらえらいことになりそうだ。
自粛、逼塞、引き篭もりの日が続く。わしの大好きなアジアの旅も計画すらしようがない。
なんと情けないことであるか。しかし、漂泊の想いは止み難い。いっそ、夢の中、妄想の中で
旅をしてみようかと思い立った。
従って、これからの話はフィクションである。まんざら嘘でも無いかも知れんけど、実際に
起こったことかどうかは保証の限りでは無い。そんな気持ちで読んでいただければ幸いである。

空港を出ると、いきなり熱気が襲ってきた。今は4月、日本を出る時はまだ肌寒い日が多かったのに
関空にとてもよく似た空港の建物の中のエアコンの中にいる間はその気配を感じるものの
まだ実感がわかへんかったけど、この強烈な暑さはどうだ。
一旦深呼吸を2、3度せんとクラっとしそうなほどだ。焼けつくというよりは鼻や口のまわり
どこにでも熱風の吹き出し口に囲まれているという感覚でもある。
この街は乾季の真っ只中、1年で一番暑い季節であるかも知れない。
気を取り直してバス乗り場に向かう。どこから湧いたか、客引きのような、一見、タクシー
会社の事務職員のような男が近づいてきて、乗り場に案内しようとする。前にまんまと
この手に騙されて闇タクに乗ってしまったことがあった。メーターがついてて、ちゃんと
動いてるんでこれはまとまなやつかと安心してたら、そのメータがようみたらえらい
くるくる尋常ではない速さで回ってる。これはいったい幾らになるんやろ、もし、法外な請求
されたらどうしょう、警察を呼ぶか? 番号わからんし? 強気にどなったりして、適当な金を
渡して知らん顔して降りようか? これは前にやったことがある。しかし、その時は友人と
2人いた。
ドキドキしながらホテルが近づいて来た。さあいよいよやと思いつつメータを見たら、結構意外、
確かに高いけど、法外というほどではない。元々タクシー料金は高くはない土地柄やから
それが2倍であっても実は大したことはないと思える、微妙な値段なのだ。
やられたという感覚は残ってはいたけどまあええか、今度から気いつけようと思い直して
金を払っておりた。
そういう悪い思い出があるんで、できるだけバスを使いたい。調べてみたら、空港から
街の繁華街の中心部にある市場まで行くバスがあるではないか。出口から右手の方に
少し行くとバスが停まっている。念のために車掌さんみたいな人に聞くとこれでいいという。
スーツケースを荷物室なんて優雅な話はなさそうだ。自分で座席まで引きずり上げる。
バスの中はもちろん冷房なんか効いてない。降り間違いをせんよう、外の景色が見られる
窓側に席をとる。そのうち、車掌がチケットを売りに来て、荷物の代金も要求する。
いずれにしろタクシー代に比べれば安いものだ。
時刻は15時近く、なる程とても暑い。バスの中も暑い。空港から河を渡って懐かしい
喧騒の街中に入っていくのは、突然増え始めたバイクの量と、エンジンの音と、
絶え間なく鳴らされるクラクションの音でいやでもそれとわかる。
タクシーなどの通る道と少しちがう裏町も回りつつ目的地に到着。有名な市場の近く、
バックパッカーが集まる地域のちかくでもある。とても賑やかなところだ。

ここから、ホテルまでは歩いて20分強くらいかな?
スーツケースがあるんでバイクタクシーはリスクが高いし、トラブルが多いんであんまり
使いたく無い。普通のタクシーはもちろんいやだ。やっぱり歩こう。暑いけど。
ホテルはインターネットで予約済み。旅慣れたバックパッカー好みのゲストハウスを
探すのはH市のような大都会では、例えば大阪の街で西成のドヤ兼ゲストハウスみたいな
とこに泊まるもんちゃうやろかという偏見が先にきて、ついつい格安目のビジネスホテル的な
とこを探してしまう。わしは爺さんだ。旅行記の有名人たちのように行く先々で
行き当たりばったりに安宿を探して冒険の旅をする、するとそこで又出会いと冒険が
あって、物語が生まれるなんていう根性がもうすでに薄れてしまってる。
道路はビジネス街を通っていくんで歩道も信号もちゃんとしてるけど、道路を走り抜ける
バイクの群れが凄まじい。見た目と音はすごいけど慣れたら圧力感は薄れてくる。
実際のとこ、それほどスピードは出ていない。信号ないとこや、赤でも右折はどんどん
曲がってくるとこでも渡るのは大丈夫だ。コツはゆっくり、ゆっくりバイクの群れに割って
入ろうとすると、向こうは自然に避けてくれる。さらにゆっくり進むとみんなでそれを
避けるような流れができる。慌てなければそんなにビクビクせんと渡れるのだ。
たかが道を渡るのにここまで気にせなならんというのもおかしな話ではあるんやけど、
この国始め、東南アジアの風物詩的なとこでもあるんでむしろ楽しんでしまえば
ええんではないやろか。
ホテルはこの街の観光名所でもある、例えば銀座通りにあたる通りより更に東に2、3ブロック
行った界隈にあるわりと小綺麗ないかにもなビジネスホテルで、冷房がよく効いているのが
ありがたい。狙ったわけではないけど近くは日本人が良く来る界隈らしく、日本料理店や
カラオケが目に付く。
それでどうということはないけどこういうところがやたら増えてきてるのではなかろうか。
ホテルの向かいにマッサージ屋さんが見えた。特に妖しくはなさそうだ。安ければ
使ってみよう。

ブログランキングに参加しています。もしよかったらポチンとお願い致します。
にほんブログ村 旅行ブログ アジア旅行へ
にほんブログ村

ありがとうございました。