今年の旅を振り返る-青島、泰山

上海、宜興の後は、青島、泰山だった。
泰山は水墨画を習っているので前から行きたかった所だった。老師の題材にもよく出てくる。
大きな山だ。外からその姿を見て感動するというよりは、まずその懐に入って
その大きさを感じたり、そこから見える景色を愉しむという捉え方の山だと思った。
だから、昔から、天子の封禅の地とされたり、全ての人の寿命が記されたノートが
保存されいると信じられたりしてきた信仰の山だ。
更に、私の好きな、荘子の「逍遥遊編」に大きさを表現する譬えとしてもでてくる位だ。
「窮髪の北に冥海有り、天池なり。魚有り、其の廣さ數千里、未だ其の脩さを知る者有らず、
其の名を鯤と爲す。
鳥有り、其の名を鵬と爲す。背は泰山のごとく、翼は垂天の雲のごとし。
扶搖に搏ちて羊角して上ること九萬里。雲氣を絶へ靑天を負ひて、然る後に南を圖り、
且に南冥に適かんとす」
逆に大きさだけ感じて全容のわかりにくい山でもあった。

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後で分かったのだが、泰山のある済南には他にも素晴らしいところがあるようだ。
台湾の故宮博物館に「趙孟?」という人の「鵲華秋色図巻」という画があるのを知った。
すばらしい画だ。これは済南にある鵲山と華山という二つの山を題材に描いたものらしい。
唯し、今もこの二つの山が存在するのかどうかは分からない。
この画の話を知っていたら、泰山訪問の時に何としても探していたはずなのに残念だ。
こういう画を描く発想を是非持ってみたいものだと思う。
鵲山と華山があるのなら、済南には絶対又行こう。