今年の旅で、泰山の次に印象的だったのは、武夷山の旅だった。
上海から、アモイに入り、武夷山と永定土楼を観光したのだ。
まずなんといってもお茶だ。福建省武夷山は烏龍茶の発祥の地と言われているところだ。
どこに行っても茶畑がある。
ここの暮らしそのものが茶と共にあるかのような感じさえするほどだ。
それで、帰りにはこの地にある工場で烏龍茶を買って帰ったが、さすがに美味であった。
武夷山一体は曲がりくねった大きな川のある地の風景なので、水の景観もなかなかなのだ。
こういう滝が沢山あって、山の中は何処が滝やら山肌やらわからないほどの滝水の
あるところなのだそうだが、地球温暖化現象の影響なのか、唯の渇水期なのか、ネットで見たり
話で聞いたりするほどには水の景観は見られなかった。
残念であった。
ただ、やはり奇岩、奇山の地。山に登るとその景勝はすばらしいものだ。
中国では、名だたる地ならどこに行っても、見たこともないような奇岩、奇景の地が沢山
あって尽きる事はないが、ここもやはりその通りだ。
そして、9曲の川がこの地の本命だ。
残念ながら筏下りの船に乗れなかったが、眺めているだけで、舟歌が聞こえてきそうだ。
次回はのんびりと筏で下って、舟歌など聞きたいものだ。
ちょっとびっくりしたのは、ここは文芸の地でもあったという事だ。
中国では歴史上の文人の史跡を大事にするようで、行く先々に文人の史跡を記念して像や碑
などが建てられている。
朱子学の朱子のいたところだ、武威精舎とあるが、こういうところで瞑想していたのだろう。
「少年老い易く、学成り難し・・」という言葉もここで考えたのかな。
柳永など宋代の詩人もこの地にいたそうだ。
温暖、景勝の地という事なのだろう。