今年の旅を振り返る-永定土楼

アモイの街から高速を北西に百数十km、2時間弱位走り、更に茶畑の山の中を奥に奥に
入って行くと、所謂、客家の故郷がある。
客家というのは、中国でも少数民族というのではなくて漢民族ではあるが、特別な
位置づけのある一族らしい。詳しい事はわからないが、台湾を初め、中国各地に
出て行って名を成している人達も多いと聞く。
この永定土楼は、そういう人達の源流に当たる人達が集まって暮らしている所らしい。
しかし、山の中を走れども走れども中々行き着かない。
高速を降りた時点からそうだったけど、道がわからなくて聞くと、実に親切に教えてくれる。
しかし、それが正確かどうかは別問題だ。
どうも、答えてあげようという気持ちは沢山あるので、あまり知らなくても分かっているかの
ように教えてくれるみたいなのだ。
どうやらそういう性格の人が多い土地柄でもあるみたいだ。
それで、かなりの時間山の中をさまよって到着した。
土楼といわれる建物が沢山ある。実に不思議だ。
そとを建物で円形に囲って、その中に小さな居住区を沢山つくって暮らしているのだ。
つまり、その円形の外壁で、そとからの敵を防ぎ、その中で、寄り集まって、共同生活を
しているという形のようだ。
さすがに結束は強くなるだろう。但し、排他的にもなるだろうと思った。

特に印象に残ったのは、承啓楼というところ。
観光用として開かれてはいるが、中の生活もしっかりと継続されている。
両立は大変だろうが、収入も必要なのだろう。
見る側には、日々の生活が覗き見できて、興味深々であった。

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ここで特別、大感激したのは、ちょうど遅い昼ご飯時刻だったので、レストランを探して
もじもじしていたら、居合わせたおじさんが、「わしが作ったのでよかったら、食べさせてあげるよ」
と目の前の小部屋を空けてくれて昼食を提供してくれたことだ。
もちろん値段も安かったが、それ以上に、地元の材料で作った地元の料理を普段の暮らしの中で
経験できたのが何にも換え難く嬉しい経験だった。
これは旅の醍醐味と言えるだろう。
こういう経験を重ねたいものだ。

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