鍋島焼きの花瓶

ここ近年の楽しみは、ゴールデンウィークの頃、九州有田を訪ねて、陶器市を見ることだ。
なにしろ街中が陶磁器を展示して、それを見る人、買う人達がひしめいて、それだけでも
心楽しくなる。しかし、お祭り気分の中でいろいろなものを見る楽しみもあるが、気に入った
ものがあれば、というよりは、「必ず何かを見つけて買って帰るぞ」という楽しみも
又、大きいのだ。
以前は、ヨーロッパの有名なマイセンとかヘレンドとかの磁器を見たり買ったりするのが
好きで、その地まで旅をしたことすらあるが、やっぱり原点は中国であり、日本なのだから
と中国の陶磁器や日本の陶磁器をみているうちに、気持ちがこちらに移ってしまった次第だ。
それで、一昨年、有田の陶器市に行った時、柴田岳山の鍋島焼き花瓶を買うことができた。
これがすごく気に入ってのだが、その時一緒に見ていた花瓶もずっと気になっていた。
それで、今年行った時、早速訪ねると、まだあると言う。
急いで買ってしまった。
その後、展覧会や陶磁器店でいろいろ見て愉しんでいたが、来年も有田の陶器市に行くのは
いいけれど、「あの岳山を買った店に聞いたらまだいいのがあるかも知れないね」という
事で家人がメールをだしてみると、「ちょうどいいのがある」と写真が送られてきた。
「うん、これもいい!」、色が綺麗だし、画も実にうまい。
形も実用的とはいえないが、なんとも艶かしい形をしていて鑑賞にはいいではないか。
それで早速買うことにした。
いろんなチャンスがあって、いいものが身の回りに集まるのは、福がある証拠かもしれない。
それなら、これからもこの福を大事にしよう。

kabin081229

毎週月曜は、こだわりのモノの話です。