中国の琵琶は指で弾いていた。日本の琵琶は撥で弾いていると思うから、音が違う。
でかい音で豪快な語りという印象に対して、繊細でか細い。
歌も中国風に甲高い声の節回しだ。
元は同じだろうから、おのおのの暮らしの中で変わっていったのだろう。
それはいいけど、外に出たら暑い。
荷物を取り戻したら自分で運ばないと行けない。どこを見てもタクシーなんかいる気配も無い。
「さっきの耦園の反対側の疏水が見える」、「あんな風に船に乗ってたんか」
船に乗るのも面白かっただろうが、そこまでの時間はない。
「昼飯の約束の場所まで、歩きましょう」
「暑っ!」炎天下で日蔭の気配が全くない。
まあしかし、これくらいでへこたれている場合ではない。スーツケースを引きずって歩くのだ。
ほとんど人の気配がないのに、何か作って売ってる人がいる。
見るだけでも暑い。
20分ほど歩いてやっと木のある所に出た。
「日蔭がある」
店も沢山あって、人もいる。
しばらく深呼吸しよう。
「昼飯のレストランは、あの先を曲がったとこやで」
やっと着いた。でもまだ誰も来ていない。
レストランも開いていない。
「このレストランのはずやけどなあ」
動物園のある大きな公園の前、疏水の畔の瀟洒なレストランだ。
「中に入って待っとこう」
やっと冷房に再会だ。
江蘇省食の旅-24、とぼとぼと昼食会場へ
- 2010年9月1日
- 浙江蘇、安徽他/黄山、古鎮、墨硯紙筆
- 古鎮の旅
- 2人