着いたところは、大きなレストランだ。
蘇州では有名なレストランだそうだ。
テーブルには結構沢山人が集まった。老師の朋友だったり、朋友の朋友だったり、今から
朋友になる人達だったりだ。朋友の朋友は皆、朋友だから、私たちも今日から皆朋友だ。
簡単で、便利ではあるが、いい気になっていると飲み過ぎる。
揚州料理を食べてきて、その後蘇州料理を食べて気がついたこと、
文化の洗練は食にも及ぶのだと言う事だ。
確かに伝統の料理があり、伝来の味がある。誰の口にも合いそうなこなれた味わいがある。
食べ易くておいしい。
蘇州では、その上にもう一つ手が入っている。調理法や調味料や味付けに微妙な工夫と
複雑さが加えられているように思えるのだ。
あの、陸文夫の「美食家」が描いた土地だ。
上海がまだ街ですらなかったころから文化が爛熟していた土地だ。
大阪や京都のように、美味しいものを、こだわって食べないと気が済まない文化が根付いて
いるのだろう。
この蓮根は柔らかくて甘い。しゃきしゃき感がなくなるまで柔らかくしているのは
中国の人の好みなのだろう。
これも前菜の棗。甘くて珍しい。
淡竹というやつなのだろう。手で向いて食べる。繊細な味だ。
芋の甘煮。
小蝦のスープ仕立て。淡白でおいしい。
これは珍しい。田鰻というやつだ。鰻のような、泥鰌のような。
日本では味わえない味だ。なかなかいける。
ジュンサイのスープ。ぬるぬるっとしてさっぱり。白身の小魚も太湖の名物だ。
川魚の揚げ物。甘酸っぱいタレは好みが分かれるだろう、魚の味と、揚げ方が抜群。
持ちこみ冬瓜の登場。
こうやって豆と炒め煮してもおいしいのだ。
冬瓜のスープ。ベーコンと抜群に合う。
暑い日はこれを食べると体を冷やしてくれるので元気が出る。
この魚、軽く干して燻したのだろうか?少し香りがする。
微妙においしい。
いよいよ、王者の登場だ。身がしまっていて、味が濃い。
べろべろもおいしい。
「頭をどうぞ」と渡された。
「ぎょっ」となるが、ここで引いてはいられない。
頂いてみたら、なかなか美味しいではないか。