不満ながらもたらたらと館内を回っていたら、大体約束の時間がきた。
「さあ、タクシーに乗って次いこう」と表を見るが、来ている気配がない。
「電話番号聞いてたなあ」と電話をすると、「申し訳ない。他の客を乗せて走っている」
「もう20分待ってくれ」と言う。
しゃあないなあと思いつつ、20分待っても来る気配がない。老師が怒り始めた。
「別のタクシーを捕まえてくる」といって道路まで出て行った。
じっと見ているのもがまんできないほどの炎天下だ。我々もあっちにいったり、こっちに
行ったり、それでもみんなばらばらになったらわけがわからんようになるので、あまり
移動しないで待っている。
もう最初から1時間は過ぎてしまった。
待ってるタクシーも来ない、老師も帰ってこない。外は暑い。しかし中で待っているわけには
いかない。
そのうちタクシーから電話が入ってもうすぐ着くという。
そのあと、老師がタクシーに乗って戻ってきた。
「皆乗れ」という。そこに前のタクシーがやってきた。「どうしよう」というと、
「約束を破ったあの人が悪いからほっておけ」
なんとなく不安な気持ちのまま出発した。
「八怪記念館はだめやったし、聞いたらマルコポーロ記念館も、そんなのないって言ってるよ」
と老師が運転手に聞いてくれた。
「そんなら何園に行こうか」
揚州で有名な貴族、何氏が長年かかって建てたものだそうだ。
蘇州、揚州は昔から文化の盛んなところだったので庭園も多い。
ここはその中でも、ちょっと異質な感じを受けた。
典型的な庭園は、庭を複雑に設計して、小さい物を大きく見せる。簡単な景色を複雑に見せる
ために様々な工夫をしている。道をたどっているうちに洞窟に入ったり、山に登ったり、
池に行きあたったり様々な驚きをしかけているのだ。それが庭園師の冥利なのだろう。
ここもそういう工夫はあるにはあるが、それよりも回廊が目立つ。
2階建の回廊だ。回廊を廻って庭園を見るのが主たる鑑賞路なのだろう。
西欧式の庭園の影響も受けたのだろうか、面白くもあるが、中途半端でもある。
それと、屋根の瓦が面白い。小さな楕円系の瓦がびっしりと敷き詰められている。
こんなんでも雨漏りしない技があるのだろう。
江蘇省食の旅-09、揚州何園へ行くか
- 2010年8月17日
- 浙江蘇、安徽他/黄山、古鎮、墨硯紙筆
- 古鎮の旅
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