烏衣巷
石頭城も今はただの公園です。石垣跡があるだけで観光でも何でもありません。
だから見終わって外にでてもタクシーが待っているわけではないし、
バス停もあることはあるけどどうなっているかよくわかりません。
それで、とりあえず、タクシーを捕まえようと大通りまでかなり歩きました。
つぎは、金陵の時代から栄えた秦淮地区です。
最初に烏衣巷というところを探しました。
やはり、劉兎錫の詩に烏衣巷というのがあったので見ておきたかったのです。
朱雀橋邊野草花 烏衣巷口夕日斜
旧時王謝堂前燕 飛入尋常百姓家
丁度この詩の石碑がありました。
見事な草書ですね。
「あの盛名を誇った王謝堂も唯の百姓家のようになってしまってなあと
嘆きつつ見ていたら、
ヒュッと燕が飛んだ」
なんて、ちょっと画になるかなと思っていたのです。
何となく秦淮の賑わいからちょっと離れた廃墟みたいなところを想像していたので
ですが、タクシーの運転手もよくわからなくて、結局、秦淮の賑わいの真っ只中に
ありました。
それも門だけです。
この門をくぐれば金陵の歌舞管弦の巷に入って行くというわけなんですね。