ちょっと用があって、浜寺公園の近くまで行った。
それで思い出した。南海電車の「浜寺公園駅」の建物がなかなかいいという話だ。
「ちょっと行ってみよう」
「しかしえらい暑いなあ」毎日の猛暑だ。
「快晴もいいが暑すぎるのはかなわんなあ」紀州街道を北上すると、左手に松林が見えてきた。
浜寺公園だ。大きな公園の真ん中あたりにちんちん電車の駅が見える。
前にこの電車の天王寺の駅を見に行った事があるが、その反対側の終点という事になる。
ちょうど電車が入ってきた。何人かが降りてくる。それなりに利用されているのだ。
調べたら、10分に一本くらい電車が走っている。それなりどころではない。
その前の道を左に折れると正面に南海電車の浜寺公園駅が見える。
2,3百メートルの道路だ。車を止めると熱気ががんがんと押し寄せてきた。
歩いている人はあまりいない。右に畑をみながら駅舎に着く。
明治の名残を残す洋風木造建築の駅舎だ。
「明治40年、我が国近代建築の元勲といわれた、東京帝国大学工科大学学長、辰野金吾、片岡安
博士設計により建てられた洋風木造建築である。屋根の正面に見えるドーマ窓(屋根窓)や柱の
骨組みを壁に埋めず装飾模様として活かすハーフチンバー様式(木骨真壁造り)、また、二階
ベランダ部分に用いられた柱と似た玄関柱が特徴である。私鉄最古の駅として、地元をはじめ
多くの人々から親しまれ日本建築学会など学術的にも高く評価されている」
という石碑があったので丸映しした。東京駅を設計した同じ人達の設計だ。
時代の雰囲気を感じるではないか。
それに正面の柱がどことなく艶めかしい。
建築に優雅な遊び心を感じる時代のものだ。
そうは言うても駅は駅だ。高校生たちがたむろしている。
おおきな男たちが、何人か地べたにべたっとすわってがやがやいいながら電車を待っている。
さすがに駅舎の外れの木陰を選んで集まっている。
ホームにも2、3人がいるだけだ。
こんなに暑いと出来るだけ動きたくないわなあ。
味のある駅舎であった。
今度は阪堺線に乗ってみよう。
南海電車、浜寺公園駅
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高瀬川あたり