ミャンマー紀行、祈りと優しさに出会う旅-35、息を飲む絶景に出会った

これは素晴らしい。なんという絶景だ。

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ガイドさんはかなりしたり顔だ。この急な階段を上ったらとてもいい景色が見
られますよとわしらを励ます。あと一段、あと一段・・。
と言うほど大層なわけではないけど結構急な階段を上ると素晴らしい展望が開
けていた。

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渺茫とした緑の平原がどこまでも続いている。木はそれほど大きくはないけど深
い緑を湛えて鬱蒼と茂っている。

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そしてよく目を凝らせばその合間合間に夥しい数の仏塔が窺い見える。

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バガンというのは11世紀から13世紀頃、バガン王国として栄えていたらしい
けどフビライハーンの軍に滅ぼされたのだという。日本で言えば元寇の時代やね。
元は世界中を侵略して回ったのだ。その王国の宮殿跡や寺院跡が仏教の聖地と
して後世に残ったのだ。
ミャンマーに来て思ったのは、とても信仰心の篤い人たちの国だということだ。
どんな街角にも寺院や祠があるし、どんな山の上にも、しかも高くて険しければ
険しいほど仏塔や寺院が造られている。そして坊さんが多い。ラオスで見たよ
うに坊さんは托鉢でその日の糧を得ているようだ。生活の中に仏教が深く根付
いているように思えた。
えらいもんやなあなんて思いながら見てるうちに遠景に靄がかかってきた。
まるで水墨画のようなええ感じではないか。

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これはええ。早速スケッチをしよう。

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戻ったら水墨画に描かんとあかん。しかし、まるで水墨画のような景色を実際
に水墨画に描くのは結構難しいのだ。それはわしの技量が未熟な故なんで景色
のせいではない。
名人はどんな風景でも水墨画にしてしまう。
下を見るとあちこちで農作業をやってはる。

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さて、いつまでも見ていたいけどそうもいかない。1日には限りがある。
また急な階段を降りよう。まっすぐ降りると怖いんでカニ歩きで降りるのだ。

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因みにこの寺院はなんという寺院なのか、聞いたような気がするけどわからん
かった。後で地図を見たらええやと思ってたら地図にも名前は載ってない。
夕日のビューポイントとだけある。
次に行ったのはティーローミィンロー(Hu-lo-minro Pago)という寺院だ。
名前は難しいが美しい寺だ。

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人気の寺らしく又々観光客がいっぱいだ。
王位継承を傘の倒れた方で決めたとかいうまことしやかな言い伝えがあると
ガイドさんは言うてた。これから先、どの寺院の門前でもかならず砂絵を描く
人がいて実演販売をやってはった。

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なかなか上手やなあとは思うけど、買う気にまではなれない。値段も安くはない。
こちらの仏さまはパアンやモウラミャインの仏様とはまたお顔が違うような気
気がする。

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漆喰のしたから古い壁画が出てきたのだそうだ。
大いなる歴史は下に潜んでいる。

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ありがとうございました。