松山駅は久しぶりだ。かなり前に桜の松山城、道後温泉という旅をした事がある。
その時は広島の友人の家が起点だった。今度は菊間の友人の家まで行かんとあ
かん。実は菊間も初めてではない。その友人の結婚式に行ったことがあるのだ。
もう何十年も昔になるなあ。大阪から皆で車に乗って、夜じゅう走ってと思っ
たら車が故障してなんて色々あったのは覚えてるけど、全てはうやむやだ。
今晩集まって酒を飲んだらちょっとは思いだすかもしれん。
今は、松山から今治の方に向かう各駅停車の電車を待つだけだ。菊間というの
は松山と今治の中間くらいにあって、瓦で有名な町らしい。
駅も瓦で出来てるらしい。
知らなんだ。
松山駅で酒を飲まずに1時間ほど電車を待つ。結構暇やけどしょうがない。
やっと時間になって電車が来た。
なんで? 2両編成やのに1台は閉鎖してる。明朝のラッシュに備えて回送す
る為なんやろか? どうせがらがらやろからゆっくり座って行こう。
なんて考えは甘かった。最初は確かにがらがらやったけど時間が経つにつれて
どんどん増えて来て出発することには殆ど満員だった。学校帰りの学生さんだ
けではない、仕事帰りのサラリーマンや買い物帰りの主婦やら親戚を訪ねてい
った爺さん、婆さんやら種々雑多な人達なのだ。これだけ人が多いのに、ちと
マナーが宜しくない。体の横に荷物を置いたり、足を拡げて座ったり、詰めれ
ばまだ座れるのに間を開けていたりというのが目につくと結構気になる。
みんな疲れてんやから譲り合ったらええのにと思いつつ、スーツケースを膝に
載せる。外はもうどっぷりと夜になってしまってる。
たった1輛の2輛列車が闇の中を驀進していく。単線らしいから所々で、上下線
や追い越しの待ち合わせがあってのんびり感を助長している。電車が停まる度
に乗って来る人よりは降りる人の方が多い。計算によれば車内は空いて行く事
になる。計算しなくても目の前の作業服を着たおじさんが疲れきった様子でう
とうとしていたものがはっきりと横になって寝だしたんでそれがよくわかる。
いつの間にかガランとしてきた車内で寝ている人が多い。わしも小さなスーツ
ケースを膝から降ろすけど足で挟んどかんと動いて行くんで眠気がやって来い
へん。外では綺麗な月が電車を追いかけて来るなあって見てるうちに菊間に着
いた。
真っ暗なプラットフォームから跨道橋を上がっていると友達の呼ぶ声がした。
さあ、これから酒を飲むのだ。
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