ネパール、古都とヒマラヤを感じる旅－０８、夜のカトマンズ、朝のカトマンズ

（注：これは震災の直前にネパール旅行をしたときの旅行記です。一日も早い
復興を心より祈念致します。）
アジアの街の第一夜はなぜかうれしい。特にそれが初めて訪れる都市であった
らよけいわくわくする。

しかし、この街の夜はいつ終わるんやろ、この人通りはいつまで経っても眠りそうにな
いやんか。
この街には、不思議な事に他のアジアの街角のように露天の食べ物屋さんが少ない。
たまにチャパティを焼いて売ってるくらいだ。豚まんやら餃子やら、焼き鳥やら、
そんなもんありそうなもんやのに目につかない。
服や雑貨の店はとても多い。
カシミヤのショール屋さんに入ってみよう。うっ？インド、カシミールのカシ
ミヤとネパールのカシミヤは違うんやろか？　値段は確かに安いなあ。もう
ちょっと安なったらええのに、しかし、今は値段交渉はやめとこう。値段が折
れ合ったのに買えへんかったら品がない。
相変わらずあちこちから日本語の呼びかけが掛かる。おにいさんいらっしゃい。
これ安いよ。見ていって。

いつもやったらやかましなあって思うだけやけど、今回から何故か嬉しい。
その代わり、ニーハオって声がかかったら知らん顔するのだ。
シンギングボウルの店も覗いておこう。シンギングボウルって何かと言うと、
金属の丸い鉢だ。元々仏具やと思うけど、カーンと鳴らす気の棒で鉢の周囲を
なでるとキーーンと澄んだ音がする。鉢の大きさや材質によって微妙に音色が
違うから面白い。元々はチベットから来たものやないかと思う。インドのシッ
キムの方へ旅行に行ったときも置いてあった。
お茶やさんも多いなあ。
勿論スパイス屋さんもある。岩塩を売ってる店も多い。なんせ元々ヒマラヤっ
て海の底やったんやろから不思議はない。
色々見るが買うのは後日にしよう。今は値頃感をしるだけだ。
そろそろ帰ろと思って、空をみたら、綺麗な星が出ていた。

明日は天気になるだろう。
さて、夜が明けた。

ホテルから見る朝だ。裏通りやから静かな一日の始まりだ。
早い目にご飯を食べて、ホテルで手配してもらったタクシーに乗って空港に行く。
今日はポカラまで行くのだ。
国内線の空港はえらく近い。

そして小さい。ローカルの3社が運行してるだけだ。
外から見ると地方のバスターミナルみたいなとこだ。

国際線の空港と勘違いしてたんで、渋滞も想定してかなり時間の余裕を見てあ
った。それでえらい時間があまりそうだ。
カウンターに行くとまだ早すぎると言われた。前の便のチェックインの準備を
してるくらいの時間だったのだ。
仕方ないんでその辺りに座って時間を潰す。

WiFiも無いんでかなり暇だ。
わしらの乗るブッダエアーの係員がどっから来たんやと話しかけてくる。
日本から来たと言うと、ご機嫌になっていろいろ話してくる。何故か誰もが親
日的だ。
暫くすると、そのお兄ちゃんがまたやってきて、あんたらの前の便に余裕があ
るから変更しいへんか？　って言うてくる。ええよええよって断るけど、しつ
こく勧めてくる。しまいにちょっとぐらつく。
しかし、ポカラの空港でホテルの出迎えサービスを頼んである。そう言うて断
ると、ここで長々と待つよりは早よ行ったほうがええとちゃうんか？　出迎え
は向こうの空港で待ったらええやんかみたいなことを言う。
しかし、出発前に待合室で待つのは椅子なんかがあるけど、どこの空港でも出
口には何もないんで、待つのは絶対しんどいと思う。
けど、そんなややこしいことを英語で説明できへんので曖昧に笑って断り続けた。
そうしながらややぐらついたけど、こんなんで便を換えた時に限って事故に遭
うたりするんやとかも思った。
長々と待ってやっとチェックインの時がきた。
しかし、ボーディングの時間がなかなか来ない。飛行機は遅れているようだ。
他の便が次々の出て行く。