今、もう2年前になるが、桂林に行った時の事を思い出している。
山水甲天下という事で天下第一の山水画的風景を見にいったのだ。
その時に、ちょっと隣の龍勝県というところの龍背棚田というのを
見に行った。少数民族が暮らす村で、麓から山の上までびっしりと
棚田にしている村だ。
残念ながら、季節がずれていたので、何も植えられてなくて、冬枯れ
た田圃だけを見てきたが、それはそれで雰囲気のあるものだった。
その時、龍背の村を歩いていると、道の脇の家の前に甕が置いてある。
「何だろう?」と思ったら、「あれは酒屋みたいだから、酒甕でしょう」
という事だった。古びた甕で酒を熟成させているのだろう。
「旨そうだなあ。ああいうのを飲みたいなあ」と思ってその時は過ぎた。
最近、「曽我蕭白」の画に魅せられている。それで、画集を見ていたら
酒甕の画があった。
本当は酒かどうかわからないが、やはり指で酒の味を試している画と
見たい。
あやしい、仏や、仙人や道士のような人がいて、可愛い牛もいる。
この空気は何だろう。不思議な空間を描いている。
こういう妖しさを画にかけるのはいいなあ。
とてもとても及びもつかないが、酒甕からの連想で1枚描いてみた。
これも一興だ。
桂林龍背の酒甕
- 2009年4月17日
- 雲南、貴州他/少数民族、棚田、古鎮、桂林
- あじあの街角, 棚田の旅
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