蘇州古園の旅ー4

上海古玩城
「どこ行こ?」
「骨董の店知ってますか?」、「知ってるよ」
「じゃあ、そこに行きましょう」
古玩城という骨董屋が集まっているビルについた。
「何じゃ、これは」ビルの入り口は爆竹のかすだらけだ。足の踏み場もないくらいだ。
春節さわぎで連日爆竹を鳴らしてたんだろう。誰かがまだ使えそうなのを探していた。
中に入ってしばらくすると又、爆竹の音が聞こえてきた。きりがないね。いくらでも
やる気みたいだ。店は半分くらいは閉まっている。まあ、春節やからしょうがない。
ひっそりした中を気が向くままに冷やかして歩く。
「えらい高いなあ」
東京や大阪の高級な骨董屋街にきたみたいな感じだ。どれも驚くほど高い。
「上海は今バブルやからなあ」、「こんなんがどんどん売れるんやで」
篆刻の石もびっくりするほど高い。書画もそうだ。
時々話も出来ない程うるさく爆竹の音が表から聞こえてくる。廊下もひっそりして
薄暗いが、奥の方に行くと、明るい所にでた。人が集まっている。
ビルの中の広場のようになったところに臨時の露店市みたいなのができているのだ。
画家や書家が来て、縁台の上に作品を広げて売っているのだ。
その場で画いている人もいる。要望があれば書こうという人もいる。
ためつすがめつ見ている人もいるし、じっと解説を聞いている人もいる。
「これは楽しい」
「こういう所で売る身にはなりたくないなあ」と言いながらも老師は楽しそうだ。
冷やかしながらどんどん話に入って行く。芸術家というより、まるでバイヤーだ。
「話がわかってそうな人」が相手と思って向こうも熱が入る。周りの人も楽しそうに
聞いている。
とうとう値切り始めた。「ひとついくら?」、「○○円」、「▽▽円にしてよ?」
「そんなんあかん」、「ええやんか」、「いやあかん」
「そんなら二つで□□円でええやろ」向こうが黙ったままなのを承諾と解釈してとうとう
買ってしまった。
「ほんまに欲しかったんかいな」、「引っ込みがつかんようになっただけ」
どちらかはよくわからない。
実に大陸的であった。