青春18切符の旅、安浦、松山、桜見物-03 真福寺の襖絵

鰻を食って元気一杯になった。次ぎは近くの川尻町にある真福寺というところ
に向かう。友人が教えてくれた事によると、ここにかの棟方志功の流れをくむ
秋山巌と言う版画家のすごい画があるらしい。それは是非見たいもんだと言う
と予め真福寺さんに連絡してもらって見せて頂けることになったのだ。
楽しみ、楽しみ。
かなり長くて急な階段を上り詰めると、大きなお寺があった。海に臨んだ高台
にあるので川尻の街と海が一望できて良い気分だ。

tera140426

鐘つき堂の横を通って本堂の前に出る。その左手がお住まいのようだ。声を掛
けると住職が出てきてくれはった。まあどうぞと上がらせてもらう。
とたんに上がりかまちの部屋正面側面、全部の襖に画が描かれている。大胆不
敵のようでいて繊細、俳趣に溢れている。
文字も自由奔放に踊っている。すばらしい。
酔うてもどってさて寝るばかり。
若草かげ、お地蔵さまのお顔がにこにこ。
山頭火の歌の下で、お地蔵様とふくろうがかわいい。棟方志功の版画に出てく
るような妖艶な女神もおられる。
見とれていたら隣もありますよと襖を開けてくれる。
こちらの部屋にはにも又、総ての襖に、絵が溢れている。大きな木が枝をぐいっ
と張り出して襖の枠組みからはみださんばかりに伸びていて、梟がとまって、
ほうほうと啼いている。
大楠の枝から枝へ青嵐。
ここにも野仏が。
窓開けて窓いっぱいの春。のぼりつめたら石仏。春風の扉ひらけば南無阿弥陀仏。
どの画も山頭火の句が賛になっていて、それが見事に一体なっている。
こちらにも女神が。フクロウもほうほうと。
春の雪ふる女はまことに美しい。
こっちにもありますよと又襖をあけてくれる。
いったいどれだけあるんやろう。
又、こっちにも。
最後に本堂を絵をご覧になってくださいと言われ、ご案内いただく。
こちらにはきちんと額装された絵と衝立が置かれていた。
これだけのものを一気に見せていただくと目がくらくらする。しかし、えらい
勉強になった。こんな風に対象をぐいぐいとらえてえいえいと思い切りえぐり
出してみたいもんだ。いやあ勉強せなあきませんなあ。
更に住職のご好意でスケッチ画まで見せて頂いた。これはまた更に勉強になる。
おのれの力不足を思い知るばかりやけど、しっかりと大きなパワーも頂けたよ
うな気がする。
明日からがんばろう。
真福寺のご住職様ありがとうございました。

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ありがとうございました。