藻谷浩介、NHK広島取材班、「里山資本主義」
この本読んでよかった。
原発事故が起きて、原油高になって、貿易収支を圧迫している。外国からの農
産物輸入で国内の生産者が困っている。世界中の経済不安が株価の乱高下を起
こしてる。いろんなややこしい話が身の回りで騒がしいけど、なんか納得いか
へん。どっか遠いとこの出来事のはずの話のこうまで身近な生活が影響を受け
ててええんやろかと不思議でならんのだ。世の中に関心を持ちたくないわけと
は違うんやけど、ありとあらゆることが世界の果てにいてるどっかの大金持ち
たちの思惑で操作された結果に最終的には動かされてるなんて理不尽なことに
ならんですむように。せめて身の回りの暮らしは身の回りで完結できるように
ならへんのやろかって思ってきた。
そういう事の可能性の一環を見せてくれるのがこの本だ。
おぼろげながら事柄としては知っただけの事でも、こうして詳細を読んで見る
となるほど、なるほどと思えてくる。できれば田舎に行って、こういう暮らし
に取り組んでみたいとも思えてくる。
是非機会をつくって実践してみたい。
NHKもアホな会長を頂いてるだけやのうて、こんなええ取材もやってはんのやね。
吉村昭、「桜田門外ノ変、上、下」
この人のエッセイを読んで、この本を読みたくなった。
徹底して事実を調べ上げれば見えてくるものがあるというのはそのとおりやな
あって納得するような内容であった。井伊大老襲撃事件を襲撃者の側から追う。
安政の大獄が猖獗を極める。水戸藩と徳川斉昭に関わる者が徹底的に狙い撃ち
されてるのはあきらかだ。しかしこのままでは、どんどん開国が進み日本は列
強にぼろぼろに食い物にされてしまう。危機感がつのる。もはや井伊大老を討
つしかないのか。しかし私憤に走っては唯のテロになる。大義名分を求めて同
士達は奔走する。京都に走り、勅命も得た。しかしそれがあだになって弾圧は
更に苦しくなった。とうとう関鉄之介を指揮者に実行部隊が結成された。
しかしまだ準備がある。日本各地に飛んで決起のあとの同盟を募る。
まるで鉄之介と一緒に苦しい旅をしてるみたいだ。どこをどう移動して、どん
な苦労をして何を食って、誰と話してと、目の前にその当時の暮らしが立ち上
がってくるかのようだ。
そしてとうとうその日がやってくる。
なるほどそうやったんかという事が一杯ある。
一気に読んでしまった。
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ありがとうございました。