ある時張芸謀の映画、「女と銃と荒野の麺屋」を見たと言う話をした事がある。
これが地の果てかと言うような不毛の山岳地帯、草木も生えない土と岩の山々
の間にぽつんと一軒だけ麺屋がある。こんなとこ誰が来るんか? と言うよう
なところにある店だ。もしかしたら盗賊のアジト?
そしてその麺が実にうまそうなのだ。これを見て監督の張芸謀はきっと麺が大
好きなんやろと思った。
ある時、「北京電影学院物語」と言うのを人に薦められて読んだ事がある。
いわゆる第五世代と言われる中国映画の気鋭の監督達が学んできた学校から世
でるまでの逸話を物語にしたやつだ。実に面白かった。この中には勿論、張芸
謀が出てくる。北京のこの学校を出てすぐに希望の北京の撮影所には行けなく
て、広西壮族自治区の撮影所に配属になったのだそうだ。そこの最初の作品は
「一人と八人」で、そのあと何作かをへてあの「紅いコーリャン」が出来たの
だそうだ。してみると張芸謀は桂林のあるこの地に詳しいと言うことなのだ。
と長々と前ふりをしたのは、張芸謀ゆかりの麺屋に朝飯を食いに行ったと言う
話をしたいのだ。
この朝は龍勝と言う棚田の村に向かうのだ。行きがかり上昨日の運ちゃんに引
き続き行ってもらうことにした。
「朝飯連れてってよ」、「普段わしらがいくようなとこでええか」、
「もちろんええよ」、「ほなら、まかしとき」と言うことで20分ほど走った
ところにある。「勝利苑」と言うみかけは汚らしい、妖しい、ちっちゃな店に
入った。
えらいとこ来たなあとちょっとびびったら。
「あれ見てみい」と壁を指差す。「あれっ、張芸謀やんか」
「そやねん。張芸謀が来た店やねんで」と言う。
とたんにおっちゃんを尊敬の目でみてしまう。「張芸謀は麺が好きでここに来
てたらしい」、「ほんまやろか?」
時間がないので後でゆっくり感動しよう。とりあえず先食べよ。
この店、讃岐うどんの店みたい。結構セルフっぽいのだ。
ルールがある。
1.まず麺を丼に入れてもらう。
2.次に調味料の棚にいってずらっと並んだ調味料から好きなのをとって麺に
かける。辛いの一杯入れたろっ。
3.次にその丼を持って寸胴のとこまで行って、自分でツユを注ぐ。
4.これでできあがり。
5.これを好きなだけかきまぜて口に入れる。
6.これでおしまい。美味い。辛いけど美味い。
さすが、張芸謀が好んだという事実だけでめっちゃ美味いと思ってしまう。
そして実際、めっちゃ美味い。
ご馳走さん。
場所はようわからんから地図は省略。
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ありがとうございました。