イチゴを買ってきた。大きくておいしそうだ。
最近は何時行ってもイチゴがあるので、何時が旬か良く分からない。
それでも、田舎を車で走っていると、道端で売っていたり、イチゴ狩りの
看板が出たりすると、それで「ああイチゴの旬が来たんだ」と分かる。
日本のイチゴは甘くておいしい。
それで、以前に桂林に行った時の事を思い出した。
桂林は町全体が山水画の世界だ。どこにいっても、あの独特の奇岩、奇山が
見える。
筍山だ。范成大という人が、驂鸞録という文の中でそんな風に表現している。
桂林の市街地から、離江の景勝地に行く車の中で、外を見ていると道端で
イチゴを売っていた。大きくて、赤くて、瑞々しくて美味しそうなのが
机の上に一山一山盛られて売っている。
それで、車を止めてもらって買う事にした。
中国では、こういう時、一山ずつにしてあっても一山幾らではなくて量り売りだ
一斤幾らか、聞いて交渉して、量って売る。
だから、どんな店にも天秤秤がおいてある。もう日本では使う事はないので、
何時見ても興味深い。中国に行って機会があったら買おうと思うのだが、
中々その機会がない。
ちゃんと洗っているかちょっと心配だったけど、一応洗っていると言う事だったので
食べてみた。
おいしい。
日本のような甘さではないが、素朴な甘さだ。
中国で食べる果物は、日本のような品種改良の工夫があまり感じられないので、
どの果物も味に物足りなさを感じる時が多いが、こういう風景の中で食べると
それは又別の味わいと言うものだ。
毎週水曜は、食べ物に関する話です。