瑠璃光院へは出町柳から終点、八瀬まで叡電に乗って来る。
叡電を降りると土産物屋さんがあって、名物を売ってるのはどこでもやけど、よ
う見たら大原女の人形がおいてある。そういや日本一自給の高いアルバイトがこ
この大原女のモデルになるやつで年寄りでも立ってるだけでいいお給料が貰える
ような話を聞いたことがある。それがここなんやろか。
今は八瀬女、大原女さんたちはどうなってしまったんやろか?
夏目漱石の「虞美人草」と言う本の冒頭にこんな文章がある。
「・・・・・
春はものの句になり易き京の町を、七條から一條迄横に貫いて、烟る柳の間から、
温き水打つ白き布を、高野川の磧に数へ尽して、長々と北にうねる路を、大方は
二里余りも来たら、山は自ら左右に迫って脚下に奔る潺湲(センクワン)の響も、
折れる程に曲がる程に、あるはこなた、あるは、かなたと鳴る。山に入りて春は
更けたるを、山を極めたらば春はまだ残る雪に寒からうと、見上げる峰の裾を縫
うて、暗き陰に走る一條の路に、爪上がりなる向かうから大原女が来る。牛が来
る。京の春は牛の尿の尽きざる程に、長く且つしずかである。・・・・」
夏目漱石、「虞美人草」より
春と秋の違いはあるにしても、こんな風情は今となってはもう望むべくもないよ
うなのだ。
それでも高野川の流れは今も美しい。
特に此の季節、紅葉が川面に映えて染み入るようだ。
このあたり、わざわざどっかの観光ポイント巡りばっかりしやんでもこんな所も
十分に風景を味わえる。
やっぱり京とはええとこや。
比叡山もロープウエーなんかで登らんと歩いて登らんとあかんなあと思った。
前に北白川の瓜生山へ白幽子寓居跡を訪ねたことがあるけど、その時にそのまま
登れば比叡山にいけると分かった。ああいうコースを歩いて見たら面白いだろう。
あの時みたいに山中で鹿に出会うかもしれないし、別嬪の八瀬女、大原女さんが
どこからか現れて、「おほほ・・、路わかりますか? 何やったらご案内しまひ
ょか・・、おほほ」なんて声をかけられて、実は狐に化かされてた、何て経験が
できるかもしれんではないか。
おお怖! そんなはずはないか。
ブログランキングに参加しています。もしよかったらポチンとお願い致します。
にほんブログ村
ありがとうございました。