そんならやっぱり奥の方に行こう。案内図によると、二本ボソとか倶留尊山とか
書いてある。こことは違う山までいけるようなのだ。さすがにこっち側はあんま
り人がいてへん。足元も大き目の石がごろごとして結構険しなってきた。本格的
な山登りみたいやな、大丈夫かなと思いつつ登る。切り通しの馬の背のところを
過ぎると樹林帯に入った。急に寒くなった。セーターを出して着よう。準備した
ものがどんどん役に立つ。下着もヒートテックを着てきたから登りは汗ばんでち
ょっとまとわりつきかげんやったけど今はぴったりだ。備えあれば憂いなしなの
だ。それでちょっと進むと立て札があって、こっから先は入山料が要ると書いて
ある。「えっ、有料かいな」それも1人500円だ。「えらい高いなあ。どうしよう」
全部行かれへんかもしれんけど、まあ、山の美化協力費と思おうと決めて先に進
む。少し登ると、山小屋があって、おばあちゃんがいてにっこりわらってお金を
受け取ってくれた。ここまでは全く視界が開けてない樹林帯の中なのだ。
そっからものの10歩も進むと、二本ボソという山の一応頂上で、いきなり視界が
開けた。
「すごいなあ」
いきなりがつんと心をつかまれてしまった。遠くに見える山から荒々しい緑の尾
根が幾筋もぐわっと巨人が指を広げたように力強く降りている。みごとな存在感
を見せているではないか。
さっそく座ってスケッチをしようかと思ったが、500円払ったからには肝心の倶
留尊山と言うところに行かんとあかん。
あの向かいに見える山がそれなんやろなあ。
入山料が要るからかこっちまで来てる人は少ない、でも何か人の声がする、わし
も行ってみようとそっちに向かった。道は下りだ。えらい下ってる。途中でその
人たちに出会った。道は湿ってきてえらいすべる。歩きにくい。「えらい大変な
道ですね」、「気いつけて」と声を掛け合った。目指す山は目の前に見えるが、
一旦ずずっと下って又上がるらしい。「結構時間かかりそうですね」と聞くと、
「片道1時間って言ってましたよ」と言うことだ。と言うことは往復2時間かかる
と言う事だ。その通りでも帰りのバスにあまり余裕はない。ぐずぐず悩みながら
下ってるうちに、ロープがセットされたとこに出た。歩きにくいからロープをつ
たって降りるのだ。これで決心がついた。無理に降りてぎりぎりまで時間を使う
よりさっきのとこでゆっくりスケッチしよう。このままやとスケッチする時間す
らない。それで、「わしはここで引き返しますわ」と挨拶して戻ることにした。
引き返す勇気も必要だ。
さっきの二本ボソの頂上まで戻って、まず昼飯だ。鶴橋の駅で買ったおにぎりを
食う。2個では足りんがしょうがない。念のためが役に立ったのだ。飯食って元
気になったのでスケッチをする。
やっぱりここまで来てよかった。わずか10歩ほどの距離にえらい値打ちがあった
のだ。
ゆっくり画を描いたらまた戻るとしよう。倶留尊山まで行かんかったんで時間に
は余裕がある。
小屋で半券を渡して元来た道を戻るとしよう。
より大きな地図で 曾爾高原 を表示
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