久しぶりに日本に帰ったらもう祇園まつりの季節だ。毎日暑いが杭州に比べたらゆるいゆるい。
祇園宵山の朝、最近毎年恒例になっている行者餅を買いに京都まで行った。
午後から用があるので朝一番に行こうと電車に乗った。京阪の祇園四条から八坂神社の方に向かう。
あの暑くてやかましくてごちゃごちゃした杭州から帰ってみると、日本は穏やかで静かでしかも美しい。
とくに京都はええなあと思っていると、そうでもない。辻々のゴミ箱からゴミが溢れて道に散乱してい
る。折角自慢に思ってたのにマナー悪なったなあと残念だ。朝早いのにもう浴衣姿の人も出ていて観光
客も動き始めている。店についてもまだ9時前だ。もしかしたらと思ったが、やはりまだ店は開いてい
なくて10人程の行列ができている。
「予約制やのに?」と思うが開店待ちなのだろう。
私の後に来た人が、「これ何の列ですか?」と聞いている。
私の前に来た人が、「行者餅ですよ。1年に1度、この日にだけ売るんです」と説明してあげている。
「予約なくても買えるんですか?」、「早く並べば買えますよ」
それは私も始めて聞いた。売り切れるまでは並べば買えるのだ。
「味噌の餡で、上品でとてもおいしいですよ」と私も背中を押すと、その人達も列に入った。
まあ、後10分程だ。
それにしても先頭の方に、テレビ番組のクルーみたいな人達がいて、盛んにカメラを構えたりがさがさ
しているのが気になる。
「京都の風物詩みたなのを取材してんのかなあ」と思っていた。
本を読んで待っていたら時間になって列がざわつき始めた。
「さあ」と思っていたら、先頭にいた人が、「やったあ・・」とかなんとか不自然な大声で叫んでいる。
それをカメラが追っている。店に入りながら、「11時間待ってやっとゲットだあ・・・・」とかなんとか
さらに大声をだしているが、まわりの人たちはしらっとしている。
店の中でもクルーが占領してなにか取材をしているようだ。
待っている人たちもぶつぶつ言いだした。私も、「皆待ってんやから、早くしてよ」と大きな声をだした。
どうせなら、待っている時間の間に、並んでいる人達に事情を説明しといたらええのに、テレビだと何で
も許されるかのような態度に思えて不快だった。
11時間並んだというのは本当かもしれないけど、予約したら並ばなくてもゲットできるし、予約してなく
ても朝1番に来たらゲットできるはずだ。予備知識のなさと調査不足を感動に置き買えても何も共感できな
い。
奇妙な人達に遭遇してかなり後味が悪いではないか。
それにも関らず、行者餅はおいしい。
人工的な味付けは何もしないで味噌だけで丁寧に作られた餡は上品な甘さがある。
皮は去年の方がおいしかったかな? 味覚がかわったかな?
でもあじあんな自然の味わいだ。
真夏の楽しみになってしまった。
今年も無病息災間違いなしだ。
店名 柏屋光貞
ジャンル 和菓子
住所 京都市東山区安井毘沙門町33-2
電話 075-561-2263
営業時間 9:00~売切れ次第
定休日 日曜 祝日(ただし、節分、祇園祭の宵山の場合は営業) 予約で完売の時
メニュー なし
言語 日本語
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ありがとうございました。