杭州お絵かき勉強日記-069 床屋に行った

もう2ヶ月以上も杭州にいることになる。画の修行は厳しいが、生活は非常にたのしい。
「もう慣れたかい?」と聞かれたら、「すっかり慣れたよ」と答える。言葉の能力は十分ではないが、
誰もが暖かく受け入れてくれるので暮らしやすい土地柄だと思う。
バスに乗っても席を譲ってくれる人が多いし、ご飯食べに行っても、「老朋友がきた」と歓迎してくれる。
話しかけてくれる人も多い。日本人であるかどうかなんて気にしてない人が多いようで気持ちがいい。

そんな暮らしの中で、ちょっと気になることがある。
暑くなってきて湿度も高くなってきたから、伸びてきた頭の毛がうっとうしく感じるのだ。
こちらに来る前に床屋に行ってきたが、それでももう2ヶ月をすぎる。
「そろそろ散発にいかなくては」と思うようになった。

それで、街の中を見ていると、あの渦巻き模様の棒を店頭に掲げた店は結構たくさんある。それで中を
覗きこんで見ると、男の客もいれば女の客もいる。パーマかけてるひともいれば、カットしている人も
いる。どうやら、理容室も美容室もいっしょくたらしいのだ
髪を切るという行為はおなじやから、一緒にやって何の問題も無い。ごく普通の考え方だ。日本のよう
に分かれてるのがおかしいのかもしれない。
店は沢山あるが、高級そうなところもあれば、普通そうなところもある。妖しそうなところもある。
それなら、普通そうで、清潔そうなところを探して行ってみよう。

幸い、学院の東側の裏通り、いつも行く市場や清真麵屋さんなどがある通りに一軒あった。

わりと小奇麗そうな店だ。中を覗くと、女性が一人髪を切ってもらっている。
「ここなら妖しくないやろう」と中に入った。
「カットしてもらえますか?」、「いいですよ」
「いくらですか?」、「30元です」 えらい安い。洗髪も顔剃りもいらんというとこの値段だ。
「さて」と近くの椅子に座りかけると、「こちらへどうぞ」と言う。「??」何でかわからず着いて行く
とマッサージ室がある。「何やここも、結局妖しいやんか」と思い、「それはいらんのや」と断って
元に戻る。そこに入るとその先に何があるのか気にはなったが、やはり普通に髪を切ってもらいたい。

元の椅子に座る。女性の床屋さんが髪を切り始めた。
けっこうあざやかなものだ。全然問題がない。
途中からバリカンを持ってきて、「これ、使ってもいいですか」と聞くから、「いいよ」と答えると
ザザザ・・・とバリカンを使って、あっという間に仕上げてしまった。最後は又はさみで仕上げる。
なかなか綺麗にしあがった。
顔は変わらないが、頭はさっぱりした。
日本でもこんな床屋さんがあったらええのにと思ったくらいだ。
外を歩くと日差しが強いので帽子をかぶったらちょうどいい。

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ありがとうございました。