ある日の事、授業で悪戦苦闘がんばっていると、同級のインド人の女性の方から招待状を頂いた。
彼女と彼女の婚約者、その友達などで個展をやるらしいのだ。
すごい。それもデパートの中でやるのだ。
彼らは教室でも非常に上手な画を描く。そういう人達がどんな画を描くのか非常に興味があって行ってみた。
開幕式は大盛況だ。
彼らの留学生の中でのポジションがよくわかる。
ここの留学生達は、勿論英語に堪能であったとしても中国では流暢に中国語を喋る。そういう姿勢がすごい。
満員の人たちの中を縫うようにして見て回った。
これなんかすごいなあ。
これもいい。
前に、「工筆」という科目で細かい線描きをしておいて丁寧に色を重ねて塗っていくという手法を勉強した
話をしたことがある。私はこういう科目ではついていくだけで必死だった。細い鋭い線を淀みなく流麗に
描くのもできないし、色の作り方もなかなか我が物にできないで苦しんでいた。
こういう人たちは自国ではプロの画家であるらしいのだ。
それでも中国に何かを求めて学びに来ている。
そして、こんな画にみられるように、学んだ技術をたやすく自分の画にとりこんで自分の世界を創りあげて
いる。千年以上の伝統があろうと、磨きぬかれた手法があろうと、所詮、画は画ではないか、どんな風にでも
取り入れて見せようという心意気が新鮮だ。
よく看ると、習ったはずの細かい技法が沢山つかわれている。
画題すら組み込まれていいしゃれになっている。
こんなのもいい。
これもおもしろい。
この人は動物に対するこだわりを画にしているのだそうだ。生きとし生けるものが題材になっている。
こんな画もきれいやな。
中国国画、山水画の見事なのを見るのもいいが、こういう若くてとらわれのないエネルギーに触れるのも
痛快だ。
彼らに元気を一杯もらった。
日本に帰ってがんばらねば。
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ありがとうございました。