杭州お絵かき勉強日記-049 龍井村へ行く

西湖の西南の方に龍井村というのがある。あの龍井茶の故郷であり、本拠地でもある。
どんなんかなあ? 一度行ってみたいなあ。 と思っていた。
それである休みの日に行ってみることにした。学校の近くからは直のバスはないので一本乗り継いで行く。
結構遠いと思っていたが、30分程度で着いてしまった。
降りるところを間違ったのか、上り坂の途中だ。
さて、下ろうか? 上ろうか? 迷って地図を見ていた。
とりあえず上ろうと上に行きかけたら、バス停で携帯電話をかけてたおばあちゃんが、ちょっと待ってと袖を
引く。何やいなと思いながらも行こうとしたら、又袖を引く。しかし電話はやめない。
私が地図を見てたから、もしかして、場所を聞きたいんかな? と考えた。
この街に着てから実によく道を聞かれる。観光地だから他所から来た人がおおくて、わからんようになったら
やたら誰にでも聞くのだろう。てっきりそうだと思った。
しかし中々終わらない。
もう待たれへんわと痺れをきらして行こうとするごとに袖を引いて、待ってと頼むような顔をするのだ。
そんなにこまってんやったらしゃあないなあ。しかし、そんなら電話をやめろよと思う。
それでもう振り切って行きかけたら、やっと電話を切って追いかけてきた。
ほならと地図を出すと、道を聞くんとちゃうようだ。
私の地図をもって、山の中腹の村を指差して、ここの龍井茶は特別美味いと言う。
わたしが知ってるから一緒に行くかと言う。なんや話が違うやんか。まあ勝手に想像した私が悪いんやけど。
そんなんいらんわと断っても、どんどん着いてきて食い下がってくる。
強くいらんと言ってやっと振り切った。
変なおばあちゃんをおいて、どんどん上に行くと龍井村に着いた。

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「何や、何もあらへんやんか」
ただの村があるだけだ。美しい茶畑が広がった長閑な山村を想像していたが結構違う。
茶畑はあるにはあるが、見え難い。

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向こうに行き過ぎても何もない。
しゃあないから、又、村の中心部に戻った。
確か、龍井の名の元となった古井戸があるはずやと駐車場のおばちゃんに聞いて見た。
「そこや」と指をさす。

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ようわからんでうろうろしてたら小屋から出てきて、「そこやんか」と教えてくれた。
ついでに、「茶のまへんか?」と言う。
笑って断った。
なるほど、木の下に石の穴がある。これが龍井の古井戸かいなと思ってたら、誰かが、ロープをたぐって
水を汲んでいた。
ただそれだけのことだった。これで龍井茶のんだらものすごくおいしいんやろね。

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もう何もすることがない。しゃあないなあと帰りのバス停を見に行った。
このバスは30分に一本しか来ないやつだったが、さっきバスをおりてからちょうど25分くらいだ。
ちょうどええやんかと思って、立っていたら、後ろの家から、おばあさんが出てきて、
「茶飲まへんか?」と言う。

またかいなと思いつつも、怒ってもしょうないからあいまいな顔をしつつ手を横に振ってたら、バスが来た。

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