紫砂壷、再び

蘇州の拙政園の入り口で時間待ちをしている時、偶然、紫砂壷の店を見つけました。土産物やが並んでいる間に目立たない小さなひっそりした店があったので入ったのでした。
以前、紫砂壷の本場の宜興で茶壷(急須)を買って、大変気に入ったので、もう少し小さな茶壷も機会があったら是非買いたいと思っていたところでした。
店に入って見ていると、お土産屋では何も心が動かなかったけど、ここでは心が動くものがならんでいます。なかなかいいじゃないですか。

「おばちゃん、これいくら?」
「200元だよ」
「高いな」
「これは、好い物だよ」、「丈夫だし」とか言って、蓋と本体をガチャガチャ叩き合わせて丈夫さを強調します。確かに紫砂で造った焼き物は丈夫なんです。更に、床において足で踏んでみせます。
「わかった、わかった、もうええから」、勢いに、ちょっとびびります。
「こっちは?」
「400元」
「ええっ、高いや」
「これは、土が古いんや」(そう、古い土を残してあるというのも聞いた事があります)
「それに、ほれっ」といって、やにわに、壷に水を満たし、蓋をして逆さにします。「もれないやろ、蓋と壷がぴったり出来てるんや」と精密さを強調します。
確かに、よく出来ていました。それでも200元のが気に入ったので、
「これ、まけてよ」、「二つだったら幾ら?」
「350でどう?」
「わしら、友達やんか、二つで330にしてよ、お願いやから」
「うーーん。わかった。ok」
という事で友人と二人で175元づつで買いました。
値段よりも、こういうやり取りがとても楽しいのです。
本当に田舎の農家のおばちゃんといった感じでとても好い雰囲気のおばちゃんでした。

これで、紫砂壷のコレクションが一つ増えました。
なかなか、気に入ってます。
こっちは緑茶というよりは、ウーロン茶系に使うつもりです。
でも、こんなのばかり買って置くとこないよって叱られているので、暫くは、墨をする時の水差しに使おうかと思ってます。

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これは、その時一緒に買った妖しい置物
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**これからは毎週月曜にはできいるだけ「モノ」の話をしたいと思います。