蘇州の水郷・山塘に行きました。ここでは時間がゆっくり流れています。
保存地区には珍しく人が住んでいて、生活があります。
普通は、お土産屋さんとか食堂だけなんですが、ここは、しっかりと人が住んでいて日常があります。そういう古い街のゆっくり流れる時間の横を少し通りすぎて、少しだけ、心の中に切り取らせてもらう事ができるのは、本当に幸せです。
しかし、ここも本格的な保存地区にするために、街の人達は立ち退きを迫られているようです。
確かに、古い街を綺麗に保存していて、大事に使っていますが、そこここに崩壊の兆しが顕著にあって、住みながら保存するのも限界というのも理解できます。
こういうところは長く保存して、この詩情と気分を残して欲しいので、やむを得ない事でしょう。
でも、やはり、ここから生活の匂いがなくなるのは寂しいです。
この蘇州で生まれ育った、水墨画の老師に案内されて、ここに来たのですが、ここの駄菓子屋に入って、一つ一つ説明してくれる時は、彼の目は輝いて少年のようでした。
そうかと思うと、次は臭豆腐を食べよう。
次は、焼き鳥はどうだと、我々へ珍しいものを紹介という意味もあるものの、
心は、遠い昔の故郷に入っているのでしょう。
観光客がぞろぞろ歩いているそばで、将棋をしたり、洗濯をしたりといった日常がなかなか好いです。
何故か、この街には日本の大正ロマン風の看板が多くあります。
書かれている文字は、意味がありそうな、ナンセンスなような目的がよくわからないものが多いので、日本的な演出をしたいと思うような時期があって造られたのではないかと思います。
やっぱり占領時代かなあ。
よく見たら笑ってしまいます。
ここも、時間をかけて画にしておきたい街の一つです。