車から降りたら、とたんに頭が痛い、吐き気がする。気分が悪い。
どうもおかしいと思って、はっと気付いた。
高山病だ。酸素が足りない。
シャングリラから更に数十km奥にある、属都湖、碧塔海を含む普達措という公園に来ている。
原生林を保護している地域なので車は大駐車場までだ。
まずバスに乗ったが、そこから一周、歩くのか、所々、バスや舟に乗るオプションがあるみたいだ。
バスまでの道をそろそろ歩きながら体調を測る。
少しずつ慣れてはきたみたい。少し不安だけどゆっくり行動すればなんとかなるだろう。(危険な判断)
バスで説明を聞いているとどうやら3600m程度の高さがあるようだ。
高山病にかかっても不思議はない。
ゆっくり一周するのに結果的には2時間以上かかったから、全長数kmはあったのだろうと思う。
草原と原生林、静かで透明感のある湖と湿原。
静かで、美しい。
日本でいうと、上高地の徳沢、明神池のような雰囲気だと思える。
これほどの高地に驚く程広大な規模で保護管理されているのだ。
日本とは趣が少し違うが、松の木が目立つ。
バス内の案内でも、何と言っているかよくわからないけど、「松・・・」、「日本人・・・」、「松茸・・・」、「輸出・・・」といった言葉が盛んに出てくる。松茸が結構重要な輸出品になっているのかもしれない。
説明が途切れてきた頃、突然、バスの案内のお姉さんが、声を上げた。
「皆さん、私の歌が聞きたいですか?」、「聞きたい」と拍手。
「○×△▲??歌いますけど、本当に聞きたいですか?」、「聞きたい、聞きたい」と大拍手。
それで、少数民族の歌を絶唱してくれた。まあ、日本の民謡みたいなものだ。
この辺りの少数民族が、バスの案内をしたり、要所要所で売店をしたり、中の整備をしたりで生計をたてているだろう。
途中からかなりの雨になった。あわてて傘を買ったが、酸素ボンベも売っているようだった。ツアー客は酸素ボンベが配られているようだが、個人旅行者はこういう所でたまたま見つけないと買うすべがない。買いそびれると売店すらないし、街でも殆どみあたらない。
旅行者は気をつけないと非常に危険だ。
昼食は結局ジャガイモが一つ。
途中の売店でおいしそうだったので買ったのだが、最後まで店はなく、食事はできなかった。待っていた運転手夫婦も何もなかったそうだ。
これで、晴れていて梅里雪山などがドカンと見えると、凄まじいまでの景色になるのだろう。
やはり、シャングリラ、秘境だ。
。。