きせる専門店。
京都市学校歴史博物館を出た。
ちょうどその向かい側にいかにも京都らしい、歴史を感じさせるお店らしい佇まいがあった。
最初は、和食、割烹料理屋さんかな?
喫茶店やカフェバー?
「谷川清次郎商店」
古民家をつかった今時のお店かなって思った。
のれんをようみたら「きせるのお店」って書いてある。
「谷川清次郎商店」。創業享保年間。
さすが、伝統工芸品の店ではないか。
なんだか気になるなあ。ちょっと入って見たいなあ。
てなことで、恐る恐る中に入ってみる。
こういうお店って、その道の仲間同士、身内同士が出入りする店だったりして、余所者、一見さんには得てして敷居が高かったりする。
緊張しつつ暖簾をくぐる。
戸を開ける音を聞いて、奥からご主人が出てきはった。
いかにもわしが主人という顔で出てきたんで、誰にでもそうとわかる。
キセル専門店って書いてあったんで・・・
いかにも古い由緒正しそうな雰囲気やったんで・・・
とか、適当なことを喋り始めたら、とても優しく応対してくれた。
ご老人風ではあるが、わしらより随分若いし、立ち居振る舞いがシャキッとしてはる。
怒涛の蘊蓄が始まった。
キセルや刻み莨について説明を始めてくれた。
わしらの一、二世代上のひとはまだキセル吸ってた。見たことは何度もある。映画やなんかでもお馴染みだ。何となくはしってるけど詳しくはない。
聞いてる内に、ご主人のキセル愛、刻み莨にどんどん惹き込まれていく。
紙巻きやパイプタバコとの違い。
どれも、燃やして吸うんですわ。唯一キセルは燻す。燻すとタールが出ない。
だから香りが強い。煙を吸い込まなくても香りを楽しめる。
なんやそうか、それやったらわしも復活しようか? せっかくやめたけど。
なんてグラついたりする。
キセルはこんなの、あんなの。刻みタバコってこんだけ細かい。燻すためや。
昔はどこの家でもタバコ盆があった。お客さんがきたらまずタバコ盆を出したもんや。
もちろん持ち運びもできる。
キセルの入れもんはこんなの、刻みタバコ入れはこんなの。
どんどん実物が出てくる。
何となく買えそうな値段のもある。
どれも伝統工芸。どれも伝統文化だ。
なんだかココロが騒ぐ。
最近は、やっぱり外人さんが興味を持ってたくさん訪れてくるそうだ。
しかもどんどん買ってくれるという。
日本人の若い女性たちも多いらしい。
なんだか漫画の主人公がカッコよく吸ってるらしい。
なるほどなあ。時代ですなあ。
わしも一瞬ぐらついたけど、学生時代からつきあってる友人、数人のうち2人まで肺ガンになった。やっぱりハードル高いなあ。
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お店の詳細。
- 店名 「きせる専門店 谷川清次郎商店」
住所 京都市下京区御幸町通高辻上ル橘町443
電話 075-351-5762
営業時間 10:00-18:00
定休日 不定休
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お店の地図。
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