雨の中、電車は走る。
やれやれ、もう雨の中を歩かんでええと思うとほっとした。
車内は暖かい。温もりで窓が曇ってる。
停まるたびに人の出入りがある。
だんだん街中に入っていく。
先に行くにつれて、乗ってくる人の方が多くなる。街の人の普段使いの足になってる。
ええですなあ。
もう大分乗った。
坂下町とか片原とかの駅をすぎていく。
山町筋(重要伝統的建造物群保存地区)
今回、見にいく予定だった山町筋、重要伝統的建築群のあるところだ。
とてもいいところだ。行ってないけど。
写真や画像で見る。やっぱり行っといたらよかったなあ。
旅する機会って、今度があるようで案外ない場合が多い。
いつも後で後悔する。
このあたりは、前田利長が開いた土地らしい。富山の米を大阪に運ぶ廻船業の根拠地にもなっていたのか。
昔の賑わいが。
雨降る電車の中で偲ばれる。
てなことで高岡駅についた。
ちなみに、万葉線ってなんで名付けたんやろと思ってた。
万葉なんて、奈良や和歌山、近畿圏の話とちゃうのんなって思い込んでた。
後でしらべたら、大友家持が越中守としてこの地に赴任してたのだそうだ。
なるほどそれならわかる。
いっぱい歌を残してはる。
高岡駅には大友家持像まであるらしい。
残念ながら見に行かんかった。
ところで、家持の万葉歌ってこんなの。
玉くしげ 二上山に 鳴く鳥の 声の恋しき 時は来にけり (巻17-3987・大伴家持)
渋谿(しぶたに)の 二上山に 鷲(わし)そ 子産(こむ)といふ 指羽(さしは)にも 君がみために 鷲そ子産といふ(巻16-3882・越中国歌)
石瀬野いはせのに 秋萩あきはぎしのぎ 馬並うまなめて 初鳥狩はつとかりだにせずや別れむ (巻19-4249・大伴家持)
朝床(あさとこ)に 聞けば遥(はる)けし 射水河(いみづかは)朝漕(あさこ)ぎしつつ 唱(うた)ふ舟人(ふなびと)(巻19-4150・大伴家持)
天離あまざかる 鄙ひなに名かかす
越こし の中 国内くぬちことごと
山はしも 繁しじにあれども 川はしも 多さはには行けど
皇神すめかみの うしはきいます 新川にひかはの その立山に
常夏 とこなつに 雪降り敷きて……(巻17-40000・大伴家持)
馬並(な)めて いざ打ち行かな 渋谿(しぶたに)の 清き磯廻(いそま)に 寄する波見に(巻17-3954・大伴家持)
渋谿の 崎の荒磯に 寄する波 いやしくしくに 古(いにしへ)思ほゆ(巻19-3986・大伴家持)
とても良い。
雨でも頑張って歩くべきやったなあ。
残念。
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山町筋(重要伝統的建造物群保存地区)。
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高岡駅の地図。
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