宿に帰ろうと外に出たら、まだ雪が降っていた。
それにもめげず、土産もん屋さんでも覗きながらぷらぷらして帰ろう。何せ夜は
何もする事がない。時間はたっぷりあるのだ。
「ここはどぶろくが有名らしで」、「どぶろく饅頭とかあるで・・」
「どぶろくきんつばちゅうのもあるわ・・」、「なんかあやしいなあ」
「おもろいから買うてみよか・・」
これも失敗、多分・・
段々日が暮れて来た。
雰囲気がええから又、裏道を帰ろう。
真っ白い中にぼーっと黄色い街灯がぽちんと灯いている。
傘をさして親子が歩いてる。傘持ってんのはおとうちゃんだけや。
合掌造りにも灯が入り始めた。
雪は冷たいけど、景色は暖かい。
更に雪が降りしきる。
音と光が昼から夜に変っていく。
ライトアップもあるそうだが、そんな事をする必要はない。
これで十分美しいではないか。
こんなん好きやなあ。
早よう帰らんと、道もわからんようになるかもしれん。
雪にどぼっと嵌ってまうかも知れん。
しかし、なぜか気持ちがいい。
しかし、さぶい。
温泉の熱も冷めてしまった。
帰って酒飲みたい。
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ありがとうございました。