雨がひどくなるばかり。
駅を出たらすぐにタクシー乗り場がある。屋根があるんで濡れずに行ける。
幸い客待ちの車があった。ありがたい。
タクシーに乗ってよかった。
「きっときと市場」までは約30分。
雨は酷くなるばかりだ。もう豪雨ではなかろうか。
やっと着いた。
想像してたののちょっと違う。
わしは、よくある朝市のスタイル、道路の両側に露天の店が並んでる、あるいは商店街的になっている、というやつだ。
モノを見ながら道を通っていくと、両側から元気なおじさんやおばさんから声がかかる。
モノと一緒に元気も貰える。
そんなとこ大好き。
「きっときと市場」
ここは、そういう形態ではない。わしが勝手に思い込んでただけなのだ。
簡単に言えば、というか、まさしく道の駅やね。
大きな建物の中にいろんな店がいっぱいある。
外は雨やのにえらい人がいる。みなさんどうやって来たんやろって不思議に思ってたら、観光バスが次から次への到着するのだ。
バスがつく度に、添乗員さんが旗を持って降りて来て、どどっと人がついてくる。
それゆえ、中は人があふれているのだ。
なんせ、外には行かれへん。行っても何もなさそうやけど。
中には、お店がいっぱい。
海産物があっちでもこっちでも。
干物もあるし、お酒の供もある。ご飯の供もある。
生モノはないんかな?
しかし、一番欲しいのは蟹。
蟹はどこだ?
どこにも見当たらない。
置いてた名残はあるけど、場所は空っぽだ。
聞いてみたら、とっくに売り切れたらしい。やっぱりなあ。こんだけ人が来たらすぐ売り切れるわなあ。
ただし、レストランを覗いたら食ってる人がいる。
あれは事前予約の人達やからということ。うらやましや。
一通り見たら、腹が減ってる。
昼飯はここで食うつもりできたのだ。
では、どっかで食おう。
と思っても、どこも満員。いくつかある食堂をはどれを覗いてみても順番待ちシートに名前がいっぱい書いてあって、1時間以上の待ちになってる。
これは、あかん昼飯食われへんやんか。
店の外にある食堂も、もちろんダメだ。
やむをえん、一番大きそうな店に入って見る。
今ならいける。この場所でよかったらいける。もちろん問題ない。入口の側でも大丈夫。
ちょうどええタイミングやったみたい。
嬉しい。飯が食える。
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「きっときと市場」の地図。
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