四川省、楽山大仏、峨眉山、蜀の桟道の旅-16

工事現場はテント暮らし
河べりの桟道というと、昔は岸壁に穴を穿ち、そこの杭を差し込んで土台にして、
それを並べた上に石板などを敷いて道にしたのだそうだが、今はただその場所に
古めかした材木で桟道を造っているだけだ。それでも昔を偲ぶよすがにはなるだろう。
それにしても、ここ明月峡の復興のためだけなのだろうか、このあたり一帯は
かなり大きな工事現場になっている。どうやら、何か大きな化学プラントのような
ものができるのかもしれない。
クレーンやパワーショベルが大きな音を立てていて、土砂を積んだトラックが
ひっきりなしに出入りしている。
それで、周辺にはその工事の作業員宿舎らしきものがかたまってあった。
作業員宿舎と言ってもプレハブ住宅ではない。テントだ。最初は地震の難民
かなと思ったのだが、皆、テント暮らしなのだ。テントといえば日本でも
ホームレスのブルーシートのテントが目に残っているが、まさにそういう感じだ
中には解放軍の名前が書いたものもある。軍の払い下げかもしれない。
そういうテントがびっしりと並んでいるのだ。今は昼間だから皆働きに出ている
のだろう。人の気配はないことはないが少ない。
そのテント村から少し下がったところにやはり大型の簡易テントで店が出ている。
日用品や食料品を売ったり、簡単な食べ物を作って売っている。
見ていると結構うまそうではあるが、さすがに手は出さなかった。
こういうところではやはり衛生面で心配だ。
「なぜテント暮らし?」と疑問が湧いたが、どうやら中国では、工事現場の人達
がテント暮らしをするのはあたりまえのようだ。
殆どどんな工事現場でもテント村があるようなのだ。
ちょっと遊びで郊外にでかけてテントに寝泊まりするというのは楽しいものだが、
仕事でこの暮らしは辛いだろう。しかも、これから冬を迎えるのにテントでは
殆ど地べたに近いところに寝泊まりしているに等しい。
厳しいなあ。

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