正倉院展や唐招提寺を見るために奈良に行った後、友人から電話がかかってきた。
「あんなあ、今奈良の興福寺で阿修羅像の特別公開をやってるやろ。次は何時見れるか
わからへん言うぞ。見にいかへんか?実はなあ、一回行ってみたんや。そしてたら
2時間半待ちやった。そんなん待ってられへんしで、他の見て帰ってきたんや。
友達と一緒やったら暇つぶししながら待てると思たんや」
「ええよ、行こか」
ちょうど興味があったところなのでよかった。
しかし、奈良が続くなあ。
当日は、朝から雨だ。昨晩から近畿は大雨の予報がでていて洪水のニュースもある。
「もしかしたら、これで出足が鈍って空いてるで」
「ラッキーやなあ」
と言いつつ並ぶと、約30分で中に入れた。
入れたものの、満員は満員。正倉院以上だ。ゆっくりは見られない。ちびちびちと
列の進むがままに付いて歩き、そのペースで見るのだ。一応側面からも正面からも
また、目の前でも見れるようにぐるぐると迂回しながら巡回路を作ってある。
しかし、良く見ていると高速道路もあるのだ。
人の肩越しに後ろから見るのでもよければ後列を通ればいいということだ。
それならチャッチャといける。
「これでええやん」と思い。早い順路で回ることにした。
今回は仮金堂で総合展示ということで、釈迦三尊を始め四天王、十大弟子、八部衆の
国宝、重文が一堂に展示されている。確かに一見の価値はある。
ここの仏達を見ていて感じたのは、本尊以外はどれも哀しい顔をしている。
そして不安定だ。どっしり立っているというよりは、動きかけて途中で止まったような
形をしていて、直ぐにも動きだしそうだ。そしてお顔は厳しく哀しい。
興福寺のもう一つのお堂、北円堂の仏達がどっしりと座ったり、傲然と立っているのと
えらい違いなのだ。
特に阿修羅は戦いの神というよりは、少年のようなほっそりとした姿で、ここの
ダイナミックで緊張感があってしかも物悲しい空間の中心を造っているかのようだ。
外へ出たら、もう雨は殆ど上がっていた。
うまく時間を使えたから、映画にでも行こう。
奈良、興福寺、阿修羅像を見に行く
- 2009年11月22日
- 近畿地方
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