前に唐招提寺に来た時は修復中だった。巨大な鴟尾も下に下ろされ目の前で見学する
事ができた。
其の時はベトナムの友人を案内して行ったのだった。
慣れない英語で、中国から請来した鑑真和上の話をするのは結構難しかった。特に
ベトナム人に中国の話をするのは気を使う場合がある。彼らの歴史の中で中国に
侵略されて酷い目にあった過去もあるからだ。日本に好意をもって日本の文化を
楽しみにきているのに中国の話をするのは違和感がある。
でも、古代に日本の話を説明しようとしたら、朝鮮半島や中国を抜きにしては語れない。
実はその関係はベトナムと中国も同じなのだ。
それで適当に喋りながら歩いていたら、すれちがったおばさん達の団体の人に
「あんた日本語うまいねえ、どこの国の人?台湾?」とか聞かれて、
「いや、日本人ですよ。こちらはベトナム人」と答えながらも、
「日本人には見えへんようになったか」とちょっと変に嬉しかったりもした記憶がある。
其の時は、薬師寺は修復が完了していて美しい塔が見れてよかったが、唐招提寺は
全てが囲いの中だったので、完了したら又来ようと思っていた。
その後、中国の揚州に旅行に行く機会があったが、鑑真和上ゆかりの大明寺のそば
まで行きながら時間がなくて参詣することができなかったのは残念だった。
さて、それで最近テレビを見ていたら、唐招提寺の修復が完了して落慶法要があった
事を報道していた。
それなら行ってみないといけない。
古都の秋はいろいろな催しで賑わっている。
正倉院展や興福寺の阿修羅の展示は長時間並ばないといけない。
そのせいか、こちらは全く空いている。
門を入ると、正面に金堂だ。あの鴟尾も屋根の上の乗ってしまうと小さなものだ。
できるだけ東寺の木材を使って修復されたという話なので、全体に派手さはなくて
しっとりと落ち着いている。
中国でいろいろな歴史建造物が修復されて現代に蘇っているが、できたらこういう
方法を採用して欲しいものだ。
奈良の秋が似合う寺に蘇ったと思う。
唐招提寺へ
- 2009年11月21日
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