ダージリン、セカンドフラッシュ

かなり以前、インドのバンガロールに行った時に、ダージリンのセカンドフラッシュを
頂いた事があった。其の時はあまり深く考えなかったのだが、セカンドフラッシュと言う
とその年の新茶で一番いい時期に摘んだ貴重なお茶だあとで聞かされ、「なるほど」と
感心した事がある。セカンドフラッシュというと夏摘みの新茶という事だが、春摘みの
新茶はファーストフラッシュということで、素人の耳には、それならもしかしたら
ファーストフラッシュの方が初もんでええもんかもしれんと思ってしまう。
それで、その次にバンガロールに行った時に丁度春過ぎた頃だったので、一生懸命探して
見た。デパートやら専門の喫茶店やら、それこそ街中走り回ったが、無い。
無いというより何の事かわからないのだ。ダージリンといえばインド北部の高地の農園
でできるものだから、それがそのまま海外に高級茶として輸出されるので、国内で
ファーストやセカンドやら、ダージリンやらなんやらとごたくを並べて売ったり、飲んだり
する事は殆どないのかもしれない。
それでも、ある紅茶の専門店に行くと、ファーストフラッシュがおいてあったので、
いさんで買って帰った。確かにフレッシュな香りがしたが、セカンドフラッシュより
おいしいという事ではなくて、珍しいモノという域をでないものだったと覚えている。
最近、祁門に行って紅茶を買ってきたり、ローラ・チャイルズという人の
「お茶と探偵シリーズ」の本を読んだりして、ちょっと紅茶が気になっている。
それで、「あのセカンドフラッシュどうしやんやろ?」と思いだして探してみた。
もうとっくの昔になくなっているかもしれないと思ったが探すと出て来た。
パッケージはもうない。「もうあかんかな」とも思ったが、匂いを嗅いでみると、まだ
しっかりと香りがする。さすがダージリンだ。
それで淹れてみた。
マスカット臭といわれる香りがしっかりとある。
味もしっかりとしておいしい。
なかなかいいものだ、さすが世界の三大紅茶と言われるだけの事はある。
しかし、今のところ祁門紅茶の方が香りも味も優れていると思っている。
それなら、もっと良いダージリンを求めて、インドの山地まで行かないといけない。

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旅の楽しみが又一つ増えたようだ。
毎週金曜は、酒や茶に関する話です。