ポリーニ/さすらい人幻想曲

  • 2009年11月12日
  • 音楽
  • 3人

最近、水墨画では王石谷が気に入ってそのスタイルを一生懸命練習している。
先日、建仁寺に長谷川等伯の竹林の七賢図を見に行ったときたまたま、
王石谷の画があって感動したので少し練習してみようと思ったのだ。
老師に無理を言ってお手本を描いてもらった。
王石谷はあまりにも正統派なんで、中国では避けられてたんだよ。
しっかり練習はするけど、作品にはその流儀をあまり使わない人が多かったんだ。
しかし、最近は又、評価されているようだね。
という話であった。
こういう繊細で優美な画風は是非とも身につけておきたいものだ。
ひっそりと静かな山の麓に村里があって、遠くにはどこまでも山と自然が広がって
いる。明るい光に照らされて、こういう山里をぶらぶらと徘徊していると、
時間が経つのを忘れてしまいそうだ。
そういう静かな繊細さを画にしようと思うと、こういうレコードを聞くのが
いいかもしれない。
ポリーニが弾くさすらい人のさすらいは、苦悩に打ちひしがれてあてもなくさまよう
というよりは長閑な空気につつまれた田野の中を旅する旅人のようだ。
強い強いタッチでどこまでも明るい光の中に山や丘や遠くの村々を克明に描きつくす
かのようだ。
つい先だっては、日本人の盲目の天才ピアニストが話題になった。
又、何日か前には、中国の天才少年ピアニストのデビューが紹介されていた。
さすが話題になるだけあって実に見事な演奏だ。
それに、それぞれで全くスタイルが違う。
名人と言われ、天才と言われて、同じ曲を弾いても全く違う演奏になるのは
そういうものだと言われればそのとおりだが、すごいものだ。
画を描くのも実に様々な道筋があって、行きつく先もさまざまだ。
何をやっても、極めるには困難ばかりがあるが、肩肘をはらなければ
楽しいものだ。
まあ、ゆっくりとやっていこう。

ongaku091112

毎週木曜は映画、音楽、書画に関する話です。