コロナ引き籠り。杭州絵画留学の日々が懐かしい。−81、西湖の辺り、部分日蝕の日。

西湖の辺り、部分日蝕の日。

杭州の日々はテレビを見る事がない。テレビは無いし(今もないけど)、見てもわからん。
世の中の移り変わりは、日本語のネットニュースをみるくらいがせいぜいやけど、それで
困ることはほとんどない。
この日は、部分ではあるけど日蝕があるらしい。
外国旅行の時に日蝕なんかに出会うのはとても珍しい。地震なんかには出会いたくないけど、
(あやうく、ネパールで出会いそうになった)、日蝕なら見てもいい。
思い出すのはパリのド・ゴール空港。旅の最終日、帰りの日だった。なぜか、日蝕見物の
大渋滞が発生して、空港への到着が大幅に遅れた。チャックインのとき、日蝕見学用の
黒い簡単メガネをくれた。えらい粋なはからいやなあって感心してたら、ちょうど、その
時間にわしらの便が出る予定になってる。残念やなあってがっかりしてたら、その時間帯の
発着を遅らせるというアナウンスが流れた。
実際に発着に影響があるんかどうかはわからんけど、乗客皆に見させてくれると言うのは
えらい粋な対応やなあって感心した。とても良い思い出だ。
さて、中国ではどうなんやろ。西湖の辺りでも皆、準備して待ってるんやろか?
屋台店が出てるやろか?
観測グッズを売ってるやろか?
とても楽しみだ。
てなことで、湖畔に行って見る。
おやっ?
あれっ?
何もない。いつも通りだ。
中国の人は日蝕なんか関心が無いんやろか?
あんだけなんでも大騒ぎする人たちやのに考えられへん。
もしかしたら、テレビのニュースではやってない?
こっちは十分可能性がある。

何にしても気にしてるのはわしだけか。

そうこうするうちに始まった。ようみたいけどあんまりしっかり見られへん。

黒メガネや黒いプラスチック板など準備がないのだ。なんか用意せんとあかんって
思ってたけど、もひとつ思う浮かばんままこの日を迎えてしまった。

それに、その日になったら、なんか売ってるやろという期待もあった。

確かに、太陽は少しずつ暗くなっていく。

裸眼では見にくい。目を凝らして見ればわかるけど、そんなんしてたら目が痛む。

さて、これが最終か?

えらい暗くなってしまった。

これってみなさん気がつかない? まあ、えらい曇ってるなあ?

程度なんかなあ?

わしだけ興奮してもしょうがない。知らん顔して、時々太陽を見る。
かなり欠けてしまった。目が痛い。気をつけんとあかん。
何の盛り上がりもないまま、ピークに達して元に戻り始める。

じんわりと周りが元に戻りつつある。というても曇り空が少し明るくなるという程度。
明瞭では無い。
誰も騒いで無い。
てなことで日蝕が終わった。

何も起こらず、誰も気がつかず。
わしの目が痛んだだけ。
しばらくの間痛かったなあ。

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ありがとうございました。