上海には、昔からの藍染の技術を保存しているところがあるという風に
聞いていた。
私は、景徳鎮の焼き物の藍色や藍染の藍色が好きなので、中国の旅に
行くと、藍染の布地を買って帰るのを楽しみにしている。
今迄では、雲南で買った生地が気に入っているが、上海のも機会があれば
買いに行きたいと楽しみにしていた。
今回、少し時間があったので、訪ねて見る事にした。
まずは、中国藍印花布館というところだ。
地下鉄をおりて、里弄のある裏通りを歩いていくと、目立たない看板がある。
看板にちゃんと名前が書いてあるから間違いないだろうと、路地を奥に入って
行くが、入り口らしきものはなく、さらに看板があって、もっと奥に入って
いかないといけないようだ。
これを奥に入って、ぐるっと裏にまわると、鉄格子が閉まっている。
庭が見えて藍染めを乾しているから、ここであることは間違いない。
時計を見ると9時5分前。「9時からかな?ちょっと早すぎたか」と思っていると
気配を感じて館の人が出てきた。
「もうすぐですか?」と聞くと、「いいですよ」と門を開けてくれた。
庭には藍染めを一面に乾している。期待ができそうだ。
中は売店と資料館みたいになっていて、藍染めの技法や、歴史を語る様々な
ものと展示している。
うるさく説明に来るのでもないし、店で買わせようとするのでもなくて
ほって置いてくれるのが居心地よかった。
こういう所が何箇所かあるはずなので、探して訪ねてみようと思っている。