コロナ日和の日々、妄想の旅に出る。V国へ、H市からF市へ列車の旅−21、刺繍工房へ。

刺繍工房へ。

市場を見た後、昼飯を済ませた。ツアーについてる昼食ってとても不満な事が多いんやけど
今回はまあよかった。どこ行くのって聞いたらイタリア料理って言うんで意味もなくムカッと
きたけど、予想とは全然ちがってほどよくV国テイストで野菜たくさんの料理であった。
ビールも飲んでご機嫌になってしまった。
ほぐれた気分のまま、次の刺繍工房へ向かう。
これってよくあるツアーの流れでお土産やに連れて行くっていう典型的なパターンやんか。
普通やったらその手に乗らんぞってあんまり相手にせえへんとこやけど、今回は違う。
わしは刺繍を買いたいのだ。しかしガイドさんがいるとこで買ったらヤツを利するだけやから
買うのは後で一人でくる。今は場所を覚えて、説明をちゃんと聞くためにあるのだ。

てなことで工房に入る。
若い綺麗な女性がずらりとならんで刺繍をしてはる。
細かくて繊細な仕事は女性、特に若い女性に向いているんやと思う。ただの模様ではなくて
絵画を刺繍にしているのだ。しかもお嬢さん方はあの魅惑的な民族衣装を着て仕事をしてはる。
それを見るだけでもわくわくするではないか。
風景があれば、人物画もある。静物画や金魚なんかもある。
金魚や魚は中国では縁起の良い絵と言われてる。
魚の発音が余という時と同じなんで余ることは良い事だというわけだ。とくに
金が余るのが一番良いらしい。
絵は中国画のようでもあるけど、ちょっと捻ったV国風でもある。中国画のようにとことん
描くといった風ではなくて、日本の水墨画のようにややぼかした省略が多い。
それがいい風情になっている。そして、この国独特のスリムな服をきた女性や菅笠を被った
人が点景に配されていることが多い。
とても良い感じだ。
絵に描いてもいいけど刺繍がまたいい。独特の質感が情緒を生んでいる。特に裏表に全く
同じ刺繍を施して、ガラス板に挟んで入れたら透けて見えるようになったやつがとても
素晴らしい。それにしても裏表が同じというのは、気い狂うほど面倒な作業ではないか、
刺繍ならではやね。
透明感があってとても精緻に見える。値段は高そうやけど買って帰るんやったらこんなんが
ええなあって思う。
ごくありきたりの絵柄のものもあるし、作家が描いた絵を原画にしたようなものも多い。
一つの部屋の中で風景は中国の蘇州や北京で見たことがある。とても細密で絵画的なやつを
飾っていて、もちろん販売もしてた。多分、こういう工芸は中国が発祥で、長い歴史の間に
何かが琴線にふれて同じような文化工芸がこちらに子供を産んだのではなかろうか。
思えば、この国と中国の関係、仲が良いのか悪いのか、文化の交流も長ければ、戦争の
歴史も度々だ。いずれにしても腐れ縁だけはとても長いように思える。
係員の方はとても流暢に説明してくれる。しかし、ガイドさんの通訳がもひとつようわからん。
日本語の問題もあるし、この方面のことにあんまり興味がないんやと思う。
ちなみにわしの拙い英語で直接聞いてみたらとてもよくわかる。係員の英語は素晴らしい。
これやったら、自由時間に一人で買いにきてもなんの問題もなさそうだ。
それがわかっただけでも大収穫。買いたいやつも大体目星をつけた。
「ここはこんなもんでよかろう」、ではないか。

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ありがとうございました。