コロナ日和の日々、妄想の旅に出る。V国へ、H市からF市へ列車の旅−19、昔の皇帝廟を見学。

昔の皇帝廟を見学。

さて、迎えが来た。大きなワゴン車だ。客はわし一人、いつもの旅やったら自分だけでウロウロ
するんやけど、乗り物を調べたりしてるうちに一人やと何かと面倒すぎるでツアーを頼んだ方が
楽だとわかった。現地で頼んだら格安の英語ツアーはあったはずなんやけど、日本で手配して
しまったんで日本語ツアーしか見つからへんかった。もう少し英語に精通してたら、こういうのも
楽なんやろけどまだまだ修行が足りん。
しかし、正直いうと日本語ツアーの方が楽ではある。
これから、観光ツアーだ。まずはホテルから南西方向、昔この地を支配した王朝の皇帝廟を
見に行く。あいにくだんだんと天気が悪くなって来た。雨が降って来そう。
車はすぐに郊外にでる。水田が目立つ。この国では、なんども苗が育つんやろか。
南国の豊穣が広がる。田んぼの中で人が何かしてはる。遠目でようわからんけど
農薬をまいてはるみたい、そんなんせんといて欲しいなあとは思うけど、それは
わしの勝手、それぞれの事情がある。
そうこうするうちに、車に座ってただけやけど、丘に登って、山の中を通って
皇帝廟についた。南に山を受けて、北の方を見下ろす位置にある。風水の考えとは
違ってるような気がするけどここは中国ではないし、それよりは見晴らしのよい
ところで死後の安楽を願ったと思える。知らんけど。
見た目、まるで中国だ。

反りのついた瓦屋根の大きな建物がいくつもある。
石造りの門は形は日本の鳥居に似てるけど、ほとんど中国の門とそっくりだ。
石造りを中心に木造を配した精巧なものだ。柱にも長押にも屋根にもあらゆるところに
彫刻が施されている、あるいは彫刻されたものが嵌め込まれている。とても装飾的だ。
中に入ると、絢爛豪華というよりはキンキラキンと言えるほどの過剰な装飾で
満たされた部屋が多い。
どれもこれもまるで中国にいてるみたい。とても違和感がある。
簡単に言えばV国らしくない。
この国からみれば中国は隣国だ。日本でもそうやったように中国の圧倒的な文化力に
憧れてそこから学び、吸収し、自分のものにする歴史をずっと繰り返してきたんやと思う。
それはようわかるけど、こんなにまるまる全力をあげて真似せんでもええんと
ちゃうやろかと思うのだ。
法律や制度、学問、なんもかんも、科挙の制度まで真似して来たみたい。
その上、自分たち皇帝は骨肉の争いを繰り返していたらしい。
難儀な国柄だ。
お宝としてはええんかもしれんけど、民族の誇りの記憶というわけにはいかんのと
ちゃうやろか。知らんけど。
庭園もなんとなく中国風ではあるけど、蘇州や杭州、上海に見られる江南風の庭園のように
動線と視線と目の錯覚をつかった魔法のような様式美までは見られなかった。
そりゃあそうだろう。
不思議なことに兵馬俑みたいな死後を守る軍団が地上に配置されてた。
どこまでも中国風やなあ。
独自路線って考えへんかったんかなあ?

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ありがとうございました。