江南の旅、上海、天山茶城

さて今回の旅の最終日だ。
「どこへいこ」
「天山茶城へ行こか」
友人は茶を買いに行く用があるという。私は、前にも紹介したことのある
「豊子凱」という画家のギャラリーに寄ってみて、小型の画集を買いたい
と思っているからちょうどいい。それにあそこにいけば、骨董店なども
いろいろあるからちょうどいだろう。
茶を買うなら1階だ。
友人はいつもの店に行っていつもの茶を買うから、何を買うか悩む必要
もないし、値段交渉の必要もない。
しかし、こういう茶屋さん、座ったら茶をふるまってくれる。
きちんと急須に入れて、小さな茶わんはお湯で洗って、急須の中で
茶がほどよく蒸れたら盃ほどの小さな茶わんに淹れてくれるのだ。
それでまずは香りを嗅いで少し味わって、すこしずつ飲んでしまう。
するとすかさず又淹れてくれる。わんこそばではないが、盃があいたら
いくらでもいれてくれるので、少しのつもりでもいつのまにかお腹が
だっぽだっぽになっている。
「もうええよ」とストップをかけると又別のを入れてくれる。
さっさと勘定をすまさないといくらでも飲まないといけない。
お茶を堪能したから上に行こう。
「豊子凱」のギャラリーで買い物をしたら、前には気がつかなかった
いろんな店があるのだ。
右隣に景徳鎮の白磁の店もあった。景徳鎮で現代白磁を作っているとは
知らなかった。ぬめっと白くて透明感があって美しい白磁だったが
デザインがもうひとつ気に入らない。
左に回って右に曲がると、前に見た怪しい骨董屋があるはずと思って
行くと、綺麗な店舗になって怪しくなくなっていた。
骨董品製作作業はもう終わってしまったのだろう。それで又右に曲がって
もういちど右にまがると、元に戻ってしまう、
その角のところにちょっと変わった工芸品屋さんがあった。
実に小さいが精巧な鳥籠を作って売っているのだ。
しかも白檀だから香りがすごくいい。
この話はいずれまた日を改めてしよう。
江南の旅の話はとりあえずおしまい。

tenzan101221