江南の旅、上海に帰って晩飯

蘇州の駅はやっぱり混んでいる。どんなに混んでいても指定席のチケットが
あるから心配はいらない。
それでも早く着きすぎたのでレストランでお茶でも飲んで待っていよう。
もうぼちぼちと待合室に行くと今度は座るところがない。広ーい待合室だが
乗る人の方が多いのだ。
15分前になってやっと案内がでた。帰りも順調、約30分の旅だ。
さて晩飯はどこに行こう。
あんまり考えてない。面倒やからいつもの滴水洞へ行こう。
面倒といいながらも少しでも辛いほうに意識が行ってしまうのだ。
いつでもokと高をくくっていたら、案外と混んでいた。
「少々お待ち下さい」
待っている間に暇だから顔だけ左右、前後ろ、上下と動かしていた。
丁度後ろ下に動かした時に、とろ箱に入った蟹が見えた。
「上海蟹あるやん」
「これ食べんの」
実は、昨晩は上海蟹を食べるつもりで出て行ったがあまり高いのでやめた
のだった。一個あたり数千円もする。上海バブルだ。
「これいくら?」
これならなんとかいける値段だ。
「人数分ちょうだい」
やっと席があいた。
どうせ蟹を食べるのが忙しいだろうといつもよりは少ない目のオーダーだ。
あんのじょう、皆さん無口でひたすら食べている。
値段が安かった分、少し味噌に濃厚さが足りなかったかもしれない。
しかし、蟹はやっぱり日本の方が断然おいしい。上海蟹を食べるとつくづく
そう思う。
それにこの魚頭、抜群においしい。

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